2022.09.20

「地方移住」した元外資の60代男性、移住先で「嫌われまくった」ワケ

威張りまくっていたら…

コロナ禍前後から地方移住を考えていたT夫妻は、ある別荘地に2000万円ほどの物件を購入し、週末のたびに訪れていた。しかし、ある日、その物件の周囲の景観が一変する。新たな物件の開発のために土木工事が始まったのだ。これを手がけていたのは、コロナ禍のなか移住ビジネスが盛り上がりそうだと、新規参入した業者たちだった。彼らはどんなことをしていたのか。以下、お伝えしていこう。

「寄生別荘」の問題

新規参入組はこうした点で問題を引き起こすことが多いが、とりわけ注目に値し、冒頭のT御夫婦の問題とも深く関わるのが、「寄生別荘」問題とも呼ぶべき現象だ。

田舎暮らしブームとともに各地での「移住者排除」が話題になった昨今、移住地のなかでも、地元住民が集住している地域とは少し離れた別荘地域が人気になっている。「トラブルが起こりかねない地元集落ではなく、管理費の負担があってもやっぱり別荘地域が安心」というわけだ。そこに、テレワーク移住の機運が到来した。

〔PHOTO〕iStock
 

これまで「売るに売れない」山林を所有してきた地元の土地権者たちはここぞと売り気にはやり、そこに新規参入の不動産デベロッパーが食いつく。

だが、すでに大規模な土地はバブル期に既存別荘地として開発済み、あるいはゴルフ場として開発済みである。狙われるのは、既存別荘地のなかにポツンポツンと点在する「私有遊休地」である。こうした私有地は外からみれば別荘地のなかに組み込まれており、地元集落からは切り離されている。

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