冬のボーナス8.55%減、リーマン危機に次ぐ下落 本社調査
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人に賃金が貼りついて月例給与の下方硬直性が高い我が国では、賞与は賃金の一部を吸収して人件費を業績連動で変動費化する役割を担っています。仮に年間5か月分、うち下期に3ヵ月分程度を支給する大企業だと、冬の賞与が8.55%減るということは、年収への影響は2%足らずです。夏の賞与と併せても3~4%程度の年収減。賞与を基礎的な生活費に組み込んでいると手痛いところではありますが、平均でみる限り、未曾有の経済後退のなか、よくその程度で済んでいるというのが正直な印象です。
ただ、賞与の割合が大企業と比べて低い中小企業では、たとえ年収幅の調整が同じでも減少割合はずっと大きい筈ですし、大企業でもバラつきが大きいに違いない。1978年以降でリーマンショック後の09年(14.93%減)に次ぐ過去2番目の大きさ」とのことですが、前年の秋に起きたリーマンショックと違い、今回のショックは今年の春先に始まっています。「514社のうち約半数は春闘や夏ボーナス時点で冬の支給額を決定している」とある通り、賞与の本格的な落ち込みは来年にずれ込むかもしれません。そうならぬよう、政府は経済と感染抑止の二兎を追っているのかも (・_・)この手のサンプル調査はどうしても「大手」に偏らざるを得ません。ですので、読み手の実感との間でズレが出ます。
数字の読み方としては、その「大手」ですら1割弱も平均で減りそうだ、という時系列での比較です。当然、もっと厳しい企業もありますし賞与がない企業もあります。
経済が回らないと所得が大きく目減りします。公的支援には限界があります。いつも思うが平均値での話を中小企業で働く者らと年末に話題になって語らうと、まるで別世界の話のような、まるで他人事の話になる。1人あたり支給額(加重平均)は前年比8.55%減の76万1786円。