[8日 ロイター] - 米EV大手のテスラは8日、50億ドルの増資を発表した。ここ3カ月で2度目の増資となり、テスラ株の今年の好調な伸びを活用している。

テスラ株は7日に過去最高値を記録し、テスラの市場価値は6000億ドルを超えた。トヨタ自動車やフォルクスワーゲン(VW)、ゼネラルモーターズ(GM)などの競合と比べ生産量がわずかであるにもかかわらず、世界で最も価値のある自動車メーカーとしての地位をさらに固めた。

テスラは申請書で、ゴールドマン・サックスやシティグループ・グローバル・マーケッツ、モルガン・スタンレーを含む10の主要銀行が株式発行を実施すると述べた。完了までのスケジュールには言及しなかった。

テスラは先月、S&P総合500種銘柄に採用されることが決まり、テスラ株の需要がさらに高まった。S&Pに加わることになった銘柄として最も価値のある企業の一つだ。

一部の投資家やウォール街のアナリストは、テスラの株価がバブルに陥っているとの見方で、現在の水準でS&Pに加えることを警告する声も上がっている。アナリストの目標株価の中央値は、現在の株価を230ドル下回る400ドルとなっている。

テスラ株が今年670%上昇したことに伴い、テスラのマスク最高経営責任者(CEO)の純資産額は270億ドルから1550億ドルに増え、ブルームバーグの億万長者指数で世界2位の富豪となった。

テスラは9月、既存車種の生産を大幅に拡大し、ドイツのベルリン近郊と米テキサス州オースティンの近くに新工場を建設することを目的に、将来の債務圧迫を緩和するため50億ドルを調達すると発表した。同社はまた、テスラセミと呼ばれるセミトラックや近未来的なサイバートラックなどの新車種の発売も計画している。

*写真を差し替えました。