[東京 8日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比72円33銭安の2万6475円11銭となり、続落した。新型コロナウイルスの感染者増から、経済の先行きに対する不安感が高まり、景気敏感株を中心に売り優勢の展開となった。ただ、下値では押し目買いが流入。中ごろから下げ渋った。

7日の米国株式市場は、ナスダック総合が最高値で取引を終えた。新型コロナウイルス感染抑制策が新たに導入され、米経済への影響が懸念されるものの、大型グロース(成長)株へシフトする動きから、アップルやフェイスブックなど大きなウエートを占める銘柄が上昇した。

日本株は、前日の悪化した地合いを引き継ぎ、朝方から幅広く売られた。市場では「新型コロナの感染者数は国内でも拡大が止まらず、景気敏感株を中心に株価の重しになっている」(野村証券・エクイティ・マーケットストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれる。

ただ、下値では引き続き主力銘柄を中心に押し目買いニーズが強く、売り一巡後は落ち着いた動きとなり、安値もみあいの展開となっている。

TOPIXは0.04%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は9705億2900万円と商いが細った。東証33業種では、サービス業、建設業など内需関連に上昇が目立ち、空運業、医薬品、石油・石炭製品などが下落した。

個別では、ファナック、ファーストリテイリングがさえないほか、ソニーも小幅安。半面、エムスリー、任天堂などが堅調に推移した。

東証1部の騰落数は、値上がりが1273銘柄、値下がりが773銘柄、変わらずが125銘柄となっている。