2021/1/13

【鈴木啓太】「知恵と勇気」オシムの言葉で勝つ

NewsPicks エディター
元サッカー日本代表の鈴木啓太氏が立ち上げた、アスリートの腸内細菌を研究するバイオベンチャー「AuB」が企業から熱視線を浴びている。
2019年9月には、大正製薬と三菱UFJキャピタル、個人投資家から総額約3億円の資金調達に成功。2020には、読売ジャイアンツとの選手の栄養サポート分野での取り組み、京セラらとの共同研究をスタートさせている。
サッカー界からビジネスの世界に飛び込み、創業から5年。ゼロから切り開いてきた道のりを支えた、その熱源とは。(全7回)

オシム監督に選ばれて

選手としては目立つことが少なかった私を、“水を運ぶ人”と表現してスポットライトを浴びさせてくれたのが、元日本代表監督のイビチャ・オシムさんでした。
“水を運ぶ人”とは、チームのために献身的にプレーする選手のこと。私が日本代表に初めて選ばれたのも、オシムさんが代表監督に就任して初めての試合だった、2006年8月のトリニダード・トバゴ戦です。
イビチャ・オシム氏(写真:アフロスポーツ)
しかし、オシムさんが初陣に向けた最初のメンバー発表で呼んだのは13人だけ。私は、その13人には入っていませんでした。
しかし、翌日に浦和レッズの強化部長から突然電話がかかってきました。
「啓太、お前代表に選ばれたぞ」
「えっ?」
「明日から合宿だから、今から支度して行け」