【12月7日 AFP】イランの著名な核科学者モフセン・ファクリザデ(Mohsen Fakhrizadeh)氏が先月暗殺された問題で、イラン革命防衛隊(IRGC)の副司令官は6日、暗殺には「人工知能(AI)」を搭載し、人工衛星で操作された自動機関銃が使用されたと明らかにした。現地メディアが報じた。

 IRGC海軍の将官、アリ・ファダビ(Ali Fadavi)氏によれば、先月27日にファクリザデ氏が11人の警護隊と共に首都テヘラン郊外の幹線道路を車で移動していた際、同氏の顔に機関銃が「ズームイン」し、13発の弾丸を発射したという。

 イランのメヘル(Mehr)通信は、ファダビ氏の話として、日産自動車(Nissan Motor)製のピックアップトラックに取り付けられていた機関銃は、「25センチしか離れていなかった同氏の妻は撃たず、殉教したファクリザデ氏の顔だけに狙いを定めて」おり、衛星経由で「オンライン制御されていた」上、「高度なカメラとAI」を使用していたと伝えた。

 ファダビ氏は、ファクリザデ氏を守るために警護隊トップが「身を投げ出して」4発の弾丸を受け、「現場にテロリストの姿は無かった」と語ったという。

 イラン当局は暗殺に関して、敵対関係にあるイスラエルと、国外に拠点を置くイランの反体制派組織ムジャヒディン・ハルク(イスラム人民戦士機構、MKO、別名:MEK)が実行したとして非難していた。

 国営英語放送局プレスTV(Press TV)は以前、「イスラエル製」の武器が現場で見つかったと伝えていた。

 ファクリザデ氏の暗殺についてさまざまな主張がされている。イラン国防軍需省は当初、同氏が護衛隊との銃撃戦に巻き込まれたとしており、ファルス(Fars)通信は情報源を明らかにせずに、暗殺には「遠隔操作式の自動機関銃」が使われたと報じていた。(c)AFP