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スタバのニューノーマル時代に一人勝ちするDX・デザイン戦略

コロナ禍で多くのコーヒーショップが不審な中、スターバックスは好調を続けている。ニューノーマルにおいても依然として勝ち続けるその秘密をDX、デザイン戦略の観点から紐解く。それは圧倒的なブランドデザイン戦略と、ポイントを絞ったデジタル戦略に現れている。

スターバックスのDX・デザインカスタマージャーニー

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スタバのDX・デザイン戦略を整理した。
1.想起
 徹底してファン作りに注力している。TV広告はせず、マス向けの認知活動はもはや不要である。タンブラー&グッズといった日常での関連品から、ファン化を強化している。アプリでのReward、Star集めは、選択肢としてスタバを唯一無二としている。
2.来店
 アプリで近くの店舗はすぐ検索できる。モバイルオーダーによって待ち時間の削減も実現。アメリカではドライブスルーも人気のようだ。
3.オーダー
 コロナ禍でも、オーダー時の接点は変わらない。ここでサードプレイスに帰ってきた感を演出できる。
4.コーヒー飲む
 コロナ禍で店舗席数は削減しているため、テイクアウト強化は必須である。オフィス、テレワークでのサードプレイス体験を与えることが成功要因である。
5.共有
 インスタ映え力の高さが何よりの魅力である。コロナ前はスタバでMac広げる体験を作り出していたが、コロナ後はSNSでのイイネ体験を与えている。これは、通常の「体験を共有する」だけではなく、「共有がイイネ体験を与える」という好循環となっている。

スタバのDX戦略

コロナ禍の勝ち組=DX成功と見られがちだが、よく言われるモバイルオーダーは本当に新しい価値を生み出しているだろうか?
スタバはどちらかというとデジタルは弱いと考える。アプリは、認証機能等のユーザビリティがイマイチな部分も多い。
まず、アプリでは想起・来店部分に特化させているように見える。
オーダーでは、スタバ体験の一つにカード収集があるが、アプリ上でコレクションが見える、オーダー時にもアプリで見える事は良い顧客体験を与えている。
コーヒー飲むでは、デジタル化は難しいように感じるが、サードプレイスの提供という観点ではまだポテンシャルがあるもと考えられる。
共有のインスタ映えでは、自ら開発しなくても価値を生み出している。オウンドメディアでレッドオーシャンのTIME WARSに挑むより、勝ち組のインスタに乗れている事は良いデジタル戦略とも考えられる。

スタバのデザイン戦略

スタバのデザイン戦略は、「サードプレイス」というコンセプト定義を徹底したブランド戦略、接客体験のデザインにある。コロナ前もこの戦略で現在の地位を獲得したが、コロナ後の困難においてもますます有効に活きている。
「サードプレイス」という、わかりやすくキャッチーで心に響くコンセプト定義が秀逸である。従業員もプライドを持って取り組め、各自の裁量での工夫・アイデアも出しやすい。顧客にとっても好感が持て、スタバを利用する事がステータスと感じる事ができる。
コロナ前はファン作りとしてデザインされていたタンブラー&グッズも、コロナ後では家や職場でスタバ体験をする事に活きている。
お店でのオーダー時は、強みである従業員からのサードプレイスを意識した接客について、従前から価値をそのまま提供している。
共有については、SNSのにより「共有がイイネ体験を与える」というサイクルが上手く回っている。
コロナ禍において最も困難であるコーヒー飲むについては、自宅時間、テレワークや縮小した出勤というファーストプレイス、セカンドプレイスで過ごす環境が変わる中、場所に依存しないサードプレイス体験をデザインできていることが何よりの成功要因であろう。

まとめ

コロナによって急な対応をした訳でなく、コロナ前から「サードプレイス」コンセプトは徹底されており、その際に築かれた顧客とのエンゲージメントがスタバが選ばれ続けるブランドとなっており、ニューノーマルにおいても成功を続ける成功要因と考える。

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