[ボストン/ワシントン 4日 ロイター] - ロンドン証券取引所(LSE)傘下で金融商品指数を算出しているFTSEラッセルは4日、FTSEグローバル株式指数シリーズなどから、中国監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国企業8社の株式を除外すると発表した。

実施は12月21日から。トランプ米政権が先月、中国軍が所有または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する大統領令を発表したのを受けた。

除外対象となるのは、ハイクビジョンのほか、中国鉄建やチャイナ・スペースサット(中国東方紅衛星股分有限公司)など。8社ともに米国防省が指定した中国軍の支配下にある中国企業のリストに含まれている。

FTSEラッセルは、指数の利用者などからのフィードバックに従うとともに、投資を制限する制裁措置が課された場合の手順に則って決定した、としている。

FTSE中国指数や中国A株指数など中国国内指数における8社の扱いについては検討中としている。

米大統領令は国防総省がリストに指定した中国企業の証券を米国の投資家が2021年11月以降に購入するのを禁じる内容。

CFRAのETF&ミューチュアルファンド・リサーチ責任者トッド・ローゼンブルース氏は8社除外による大半の米国の投資家への影響は限定的になるだろうと指摘。対象となった中国の大手企業がわずかしかないからだとした。また、最終的に、全ての指数算出会社が一部の中国証券を除外すると予想した。

指数算出会社のMSCIの広報担当者は、大統領令に関し、同社が手掛ける指数を利用する際の影響や指数を変更する必要性などについて市場参加者のフィードバックを12月4日まで受け付けたと説明。「近く結果を伝える考えだ」とした。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、米ナスダックもこの問題について精査しており、6日の週に結論を公表する可能性があると報じた。ナスダックはコメントの求めに応じていない。

FTSEラッセルは米当局者の出す結論に基づき、さらに多くの企業を除外する可能性があるとした。

ハイクビジョンの広報担当者は同社は軍事利用目的の研究・開発に参加したことは一度もないため、大統領令で同社が追及される「根拠はない」と主張。同社は「米政府に全面的に協力し、当局者の質問に包み隠さず回答するよう努めてきた」とし、今後も誤解を解く努力をするとした。

中国鉄建はコメントできないと回答した。除外される8社は他に、中国交通建設、中国核工業建設、中国中車(CRRC)、曙光信息産業(ドーニング・インフォメーション・インダストリー) 、中国化学工程。

トランプ政権は3日、投資を禁じる中国軍関連企業に半導体メーカーの中芯国際集成電路製造(SMIC)や石油大手の中国海洋石油集団(CNOOC)など4社を追加した。

FTSEラッセルの広報担当、ティム・ベネディクト氏は4社の追加を承知していると述べ、「適切な時期に検証する」とした。

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