社外取締役、3分の1以上に 「新1部」企業統治指針
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社外取締役が最も機能する場面の一つが、サクセッションプランニング(後継者の抜擢・育成、移行に向けた準備全般)ではないかと思います。最高機密ですので、経営トップには相談する相手がいません。
社外取締役は、社内のしがらみに縛られるずに、中長期的視点から企業の将来の成長のために、忖度なしに発言できることが強みであり、存在意義です。単なる数合わせ的な「お飾り社外取締役」ではなく、孤独な経営トップを支える、本当の意味での社外取締役がもっと増えていくことを期待しています。22年4月の東証市場再編で現在の1部を引き継ぐ「プライム市場」の準備に向けて着々。そこで重要になるのがコーポレート・ガバナンスと市場との対話機能の拡充。取締役会の機能強化はその要であり、社外取締役の選任基準は最重要事項だ。
1)1/3は独立人材で社外取締役、必要があれば過半数
2名が1/3になるだけで、4割超が未達になるような基準です。必要があれば過半数ということでグローバル企業や株主からも求められるような企業はそちらを目指してくださいねという段階措置、かつダブルスタンダードで落とし所を探る。
「指針改定を今の1部上場企業に単純に当てはめると4割超の企業が未達となり、社外取締役の増員が必要になる。」
米国流ガバナンスでは過半数は当たり前、CEO以外は社外取締役という企業も多数。
2)取締役のスキルを説明するスキルマトリックス
既に役割などを開示は一定進んでいますが、マトリックスにするという意義は、役割を明確化するだけではなく、取締役会全体の機能の幅を示し、多面的で多様性のある取締役会を目指す上で重要です。かつ、期待されるを明確化されることで、実際に社外取締役が発言しやすくなり実効性を高めるという狙いもあります。
3)CEO候補者リストの作成で指名委員会の選解任機能向上
これが入るのが一番インパクトあります。CEO候補者がいないというのがCEOへの牽制機能が高切れない日本のガバナンス上の欠陥、弱みです。米国はプロ経営者に入れ替えるという選択肢がより一般的で、そのような人材プールも日本とは比べものになりません。
これめちゃくちゃインパクトがあるものの、一朝一夕ではリスト化できません。しっかりと、リスト作成に向けて内部登用に向けたトレーニングや選別プロセスの整備、あとそもそも外部という選択肢も積極的に考えていく必要が出てきます。
4)女性、外国人、中途採用者の登用で数値目標の策定と達成状況の公表
これ実際の発表内容を待ちたいですが、ダイバーシティと数値目標と達成状況の公表は直接的には関係ないです。ダイバーシティと対話に向けた基準は歓迎です。
今後のプロセスは以下の通り
・金融庁と東証は8日の有識者会議で意見書案を示す
・東証が21年3月をめどに指針を改め、6月から適用する見通しコーポレートガバナンスという点で、制度化はここ5年で大きく進んだ。 企業によって形態だけ整えたところ、実態がともなっているところの差はばらつきがある。
グローバルな企業経営、投資市場を視野に入れて 取締役会実行性評価などを通じて、質の向上を図ることが肝。