[東京 4日 ロイター] - 政府は、新たな経済対策で、合併や経営統合を柱とする経営基盤強化に踏み切った地域金融機関に対する「資金交付制度」を創設する方針を固めた。複数の政府筋が明らかにした。コロナ後のデジタル化や地方創生を念頭に、銀行の業務範囲規制を見直すことも併せて盛り込み、8日に閣議決定する。

システム統合に伴う初期費用の一部を資金交付制度で補助し、地銀の経営基盤強化を後押しする。制度創設に伴い来年の通常国会に金融機能強化法改正案を提出し、来年夏からの適用を目指す。日銀が導入する地域金融機関のための特別当座預金制度と併せ、人口減少地域などの金融機能を強化する狙いもある。

経済対策では、コロナ禍の危機感を政府・日銀とで共有し、「財政政策と金融政策の適切なポリシーミックスの下で緊密に連携する」と明記。経済水準がコロナ前を下回る現状に「デフレへの後戻りを避けるためにも力強い経済対策を講じる」との姿勢を打ち出す。

企業の資金繰り支援では、民間金融機関の実質無利子・無担保融資を来年3月まで延長するほか、日本政策金融公庫の実質無利子・無担保融資を来年前半まで継続することも明記した。

観光需要喚起策GoToトラベルは「制度を段階的に見直しながら延長し、(来年)6月末までを基本の想定としつつ、感染状況を踏まえ柔軟に対応する」とした。イート事業は6月末を期限とした食事券についてプレミアムを引き下げて追加発行する方針だ。

事業規模15兆円の国土強靭化計画では2020年度3次補正予算案で初年度分を計上するほか、研究基盤強化に向け創設する大学ファンドを「世界に伍する規模」とすることも盛り込んだ。

(山口貴也)