[2日 ロイター] - 米国株式市場ではS&P総合500種が終値での最高値を更新する一方、ナスダック総合は小反落して取引を終えた。新型コロナウイルスワクチンを巡るポジティブな動きや追加経済対策への期待の一方で、民間雇用統計がさえない内容となった。

英政府は2日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの緊急使用を承認。来週から接種が始まる見通しとなった。

米議会の共和・民主両党は追加経済対策を巡り依然として合意できていないが、市場関係者の間では、景気の弱さを示すニュースで合意に向けた動きが加速するとの見方も出ている。

オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した11月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びがエコノミスト予想を下回り、景気対策の必要性を浮き彫りにした。

米連邦準備理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)でも、12地区中4地区で経済成長が「ほとんど、もしくは全く見られなかった」との認識が示された。

ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は、4日発表の雇用統計で労働市場の悪化が示されれば、議会は経済対策で合意する必要に一段と迫られると指摘。「(議会は)投資家と同じくらい統計を注視している。悪いニュースで交渉が促されれば、良いニュースになる可能性がある」と語った。

バイデン次期米大統領はニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで、大規模な景気対策を議会で通過させることが最優先事項だと語った。トランプ政権が中国と締結した米中通商合意第1弾の破棄に直ちに動くことはないとも述べた。

S&P500の主要セクターでは金融やエネルギーが上昇する一方、主要消費財は下落。バリュー株への循環が続いた。

個別銘柄では、顧客管理ソフト大手のセールスフォース・ドットコムが9%近く下落。同社は前日、ビジネス対話アプリを手掛けるスラック・テクノロジーズを277億ドルで買収すると発表した。スラックは2%超下落。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.46対1の比率で上回った。ナスダックでは1.16対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は116億株。直近20営業日の平均は117億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29883.79 +59.87 +0.20 29695.09 29902.51 29599.29

前営業日終値 29823.92

ナスダック総合 12349.37 -5.74 -0.05 12285.75 12360.06 12217.35

前営業日終値 12355.11

S&P総合500種 3669.01 +6.56 +0.18 3653.78 3670.96 3644.84

前営業日終値 3662.45

ダウ輸送株20種 12546.54 +52.80 +0.42

ダウ公共株15種 874.66 +6.41 +0.74

フィラデルフィア半導体 2716.35 +6.62 +0.24

VIX指数 21.17 +0.40 +1.93

S&P一般消費財 1275.02 -8.95 -0.70

S&P素材 443.76 -6.20 -1.38

S&P工業 740.88 +0.86 +0.12

S&P主要消費財 687.22 -5.19 -0.75

S&P金融 474.66 +4.95 +1.05

S&P不動産 226.12 -2.56 -1.12

S&Pエネルギー 284.30 +8.68 +3.15

S&Pヘルスケア 1296.94 +10.33 +0.80

S&P通信サービス 221.75 +2.22 +1.01

S&P情報技術 2193.89 -4.77 -0.22

S&P公益事業 322.24 +2.14 +0.67

NYSE出来高 10.41億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26830 - 10 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 26825 - 15 大阪比

*システムの都合で再送しました。

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)