[ワシントン 1日 ロイター] - 米国務省のアレックス・ウォン次官補代理(北朝鮮担当)は1日、中国が国連の対北朝鮮制裁に違反していると非難し、制裁違反の証拠を示す情報提供に最大500万ドルの報酬金を支払う用意があると表明した。

ウォン氏は米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)で行った講演で、北朝鮮の非核化を目指し国連が発動させた制裁措置を中国が骨抜きにしようとしていると非難。制裁措置に違反して中国は北朝鮮の労働者少なくとも2万人を受け入れ続けたほか、石炭などの制裁対象となっている物資を北朝鮮から中国に海上輸送したと指摘。米国はこうした輸送を過去1年間で555回確認したとした。

このほか、中国は現在、北朝鮮の大量破壊兵器プログラムなどに関与している複数の人物を受け入れているとも指摘。「中国は2006年、09年、13年、16年、17年に国連の対北朝鮮制裁に賛成票を投じたにもかかわらず、自ら骨抜きにしようとしている」とし、「中国は北朝鮮との通商関係を復活させ、同国の経済への関与を深めようとしている」と述べた。

中国は国連の対北朝鮮制裁措置を順守していると主張。ただロシアとともに、制裁緩和が核問題を巡る交渉の円滑化につながる可能性があるとの見解も示している。