[ロンドン 30日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)金融政策委員会のテンレイロ委員は30日、英中銀によるマイナス金利政策導入はポンド相場の下落、資産価格の上昇、銀行融資の拡大につながり、景気支援の一助になる公算があるとの考えを示した。

シンクタンクのリゾリューション・ファンデーションに対し「マイナス金利政策を導入した他の欧州諸国を見ると、銀行融資を通した金融政策伝達が機能している証拠が示されている」とし、「為替相場や資産価格といった銀行融資以外の伝達経路も機能すると考えている」と述べた。

その上で、欧州中央銀行(ECB)によるマイナス金利政策導入はユーロ圏経済の支援に効果があったとの見方を変えていないと表明。マイナス金利政策導入にあたり、銀行の収益性を巡る問題は阻害要因にならないとの考えも示し、構造的な低金利環境は当面は継続するとの見方を示した。

このほか新型コロナウイルスワクチンについて、実際に接種が始まるまで主要な景気押し上げ効果は発揮されないと指摘。英中銀は、市場金利の上昇による景気回復の頓挫を防止する必要があるとの考えを示した。