[東京 30日 ロイター] - 金融庁は30日、日本取引所グループ(JPX)と傘下の東京証券取引所に対し、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出したと発表した。10月1日に発生した大規模システム障害で取引が終日停止となったことは「金融商品取引所に対する投資者などの信頼を著しく損なうもの」だとして、東証とJPXに対し責任の明確化などを求めた。

JPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)は記者会見で陳謝し、「業務改善命令を真摯かつ厳粛に受け止め、再発防止に全力を尽くす」と述べた。システムがストップした際、どう再開するかの仕組みが脆弱だったとし「(システムの)ネバーストップとレジリエンス(障害回復力)向上に注力する」とした。

清田CEOは月額報酬の50%を4カ月減額する。JPXは、東証の宮原幸一郎社長が11月30日付で辞任する人事も発表。システム障害を重く受け止め、本人から辞任意向の申し出があったという。JPXの清田CEOは「極めて大きな損失だと経営的には感じている」と述べた。清田CEOは留任し、12月1日から東証の社長を兼務する。兼務の体制は暫定的とし、新体制は指名委員会を通じて今後詰める。

基幹システムを開発した富士通について清田CEOは「もちろん富士通にも責任はあると感じている」とした一方、システムの仕様変更など東証がチェックしておくべきとの指摘には「反論余地ない」とした。富士通に損害賠償など金銭的賠償を求める考えはないとし、「再発防止のため堅牢なレジリエントな(障害回復力のある)システム設計と開発に全力を上げることで責任を果たしてほしい」とした。東証の宮原社長も10月1日の会見で、富士通に損賠賠償を求めない考えを示していた。

東証は10月1日午前の取引開始前から売買システムに不具合が発生し、1999年の取引システム化以降で初めて、全銘柄の売買を終日停止した。金融庁は障害の原因などを詳しく調べるため立入検査を実施した。

*会見内容を追加して再送します。

(平田紀之、青山敦子 編集:内田慎一)