イチロー氏、年内にもアマ野球指導者デビュー…甲子園V経験ある強豪校で臨時コーチ

スポーツ報知
年内にもアマ指導者デビューを果たすイチロー氏

 マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)が、年内にも甲子園で優勝経験がある高校でアマチュア指導者デビューすることが27日、分かった。同氏は元プロ野球関係者が学生野球の指導者になるために必要な学生野球資格を2月に回復。特例として、マ軍に在籍しながら球団の活動がないオフシーズン限定での指導が可能になっている。

 オリックスや米大リーグ・マリナーズなどで日米通算4367安打を放ったイチロー氏が、甲子園で優勝経験がある高校で“臨時コーチ”として、アマチュア指導者デビューする。

 関係者はこの日、スポーツ報知の取材に「やる方向です」と認めた。年内を予定しており、日程や期間は未定。コロナ禍のため非公開で、取材対応もしない方向で調整しているという。元メジャーリーガーでは、中村紀洋氏が2017年から浜松開誠館高(静岡)で非常勤コーチを務めているが、異例のことだ。

 イチロー氏は、26日に神戸市で行われた第73回新聞大会(日本新聞協会主催)の記念講演に登壇。「高校野球は『野球』をやっている。めちゃくちゃ面白い。プロに入る前段階の選手たちの野球にすごく興味がある。(指導している姿を)見られると思います。(学生は)楽しみにしてもらっていないと困ります」と宣言していた通り、水面下で準備を進めていた。

 昨年3月に引退したイチロー氏は、同12月にプロ経験者が高校、大学生を指導するために必要な学生野球資格を回復する研修会を受講した。従来は学生野球指導にはプロ球団からの退団が条件だったが、スカウト活動をしていないことや日米で残した数々の偉業を踏まえ、球団の活動がないオフシーズン限定で特例を許可。マ軍在籍のまま指導が可能になる“イチロー・ルール”が認められた。2月に学生野球資格回復が認定され、技術指導ができるようになった。

 記念講演でイチロー氏は「僕は今でも動けるので、一緒に走ったり、投げたり、打ったり、そういうアプローチは面白いな、と思って。野球人として何かお返しできたら」と意欲を示していた。日本球界が誇るスーパースターが、技術や経験を余すことなく高校球児に還元する。

 ◆学生野球資格 日本学生野球協会が統括する日本高野連、全日本大学野球連盟の所属チームで指導するために必要な資格で、プロ球団に在籍することで自動的に喪失する。資格を回復するには、従来は中学・高校教諭在職2年以上などの高いハードルがあったが、2013年に研修制度が導入されたことで大幅に緩和された。資格を得たメジャー経験者には現・早大監督の小宮山悟、村上雅則、鈴木誠、薮田安彦、佐々木主浩、小林雅英の各氏らがいる。

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