[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は27日、ユーロ圏内の銀行が気候変動へのエクスポージャーに関する最も基本的な情報さえ開示していないと指摘した。

銀行は融資や投資を行う際に事業の二酸化炭素排出量のほか、異常気象や規制変更の影響を受けるリスクなどを考慮し、気候変動を考慮に入れることが期待される。

ECBは銀行に対し、情報収集とガイドライン順守のために1年の猶予を与えている。ただ、それができない銀行に対しても、少なくとも当初は資本要件を引き上げる予定はないという。

ECBによると、ユーロ圏の主要銀行のうち気候関連の基本的な情報を全て開示しているのはわずか3%、半分以下の開示は58%、全く開示していないのは16%。「評価の対象となっている金融機関のうち、現時点で最低限の開示レベルを満たしている金融機関は事実上皆無だ」と指摘した。

またECBは、情報開示に関する指針の最終版を公表。銀行は顧客の水の使用量、汚染、廃棄物排出量、生物多様性への影響など、気候に関連した影響と脆弱性を定量化する必要があるとした。

さらに銀行に対し、来年初めに「自己評価」を実施するよう求める予定。その後、2022年には進捗状況を審査するストレステスト(健全性審査)を実施し、フォローアップ措置を講じる計画だという。