[ベルリン 27日 ロイター] - ドイツのショルツ財務相は27日、新型コロナウイルス対策の支援措置拡大を受け、2021年の借入額を1800億ユーロ(2146億ドル)近くとし、当初予定からほぼ倍増させると発表した。

議会の予算委員会が17時間にわたる協議の末、27日未明に合意に達した。新規の借入額(ネットベース)としては、戦後2番目の高水準という。

ショルツ財務相は記者会見で「コロナ禍を克服し、来年に力強く回復することを目標に据えている」と表明。金融支援向けの予算の期限は来年6月まで延長されると明らかにした。

その上で、今年と来年に実施される景気刺激策で債務が3000億ユーロを超えて増加することに触れ、「20年と21年の予算は異例のものとなる」と述べた。

アルトマイヤー経済相は、企業支援策が実施されているため、感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)で年末に向け企業破綻が相次ぐ事態にはならないとの見方を示した。

緑の党のある議員は「新規の借り入れは適切だ。この危機を貯蓄で乗り切ることはできない」と述べた。

21年の新規の借入額は1798億2000万ユーロとする計画。ショルツ財務相が9月に示した960億ユーロを大きく上回る。

ドイツ政府は、新型コロナウイルスの流行を受けて、前例のない様々な支援策を導入。財源を確保するため、借り入れが必要になった。

議会は今年、債務ブレーキ制度を停止。支援策の財源を確保するため、ネットベースで最大2180億ユーロの新規の借り入れが可能になったが、連立政権関係者によると、全額が必要になる可能性は低い。

ドイツ政府は2020年の経済成長率(営業日数調整後)をマイナス5.9%、2021年をプラス4.4%と予測している。

メルケル首相と州首相は25日、部分的なロックダウン(都市封鎖)措置を少なくとも12月20日まで延長・強化すると発表。バー、レストラン、ジム、娯楽施設などの閉鎖が続く。

今月2日から閉鎖を余儀なくされている企業への金融支援も延長する。

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