[東京 27日 ロイター] - トヨタ自動車が27日発表した2020年10月の世界販売(トヨタ車とレクサス車)は、前年同月比8.3%増、世界生産が同9%増となり、いずれも10月単月として過去最高だったと発表した。世界販売は主に中国や米国、世界生産は中国と日本などがけん引した。

<世界販売は10月の過去最高に、米中好調続く>

10月の世界販売は84万7713台となり、2カ月連続で増加。トヨタは新型コロナウイルスの影響からの回復ペースを10─12月は前年同期並み、来年1─3月は前年同期比5%増と見込んでいるが、4─9月に続いて10月も想定以上の好調ぶりだった。

中国販売は約33%増と7カ月連続で前年を上回った。主力セダンの「カローラ」や「レビン」、高級車ブランドのレクサス車などの堅調が続いた。

米国販売も8.8%増と2カ月連続でプラスとなり、10月として過去最高を更新。レクサス車のほか、セダン「カムリ」やスポーツ多目的車(SUV)の「RAV4」などが伸びた。

日本販売は約37%増だった。SUV「ハリアー」や小型車「ヤリス」などの好調が寄与した。前年同月は消費税率が8%から10%へ引き上げられた影響で需要が落ちたことも前年超えの背景の1つとなっている。

<世界生産2カ月連続増、12月の国内生産は休日出勤も>

10月の世界生産は84万5107台で、世界販売と同じく2カ月連続で増加し、10月としても過去最高となった。中国での生産は前年同月比で約10%増だった。主力セダンの「レビン」や「カローラ」の販売拡大が持続した。

日本での生産は約12%増だった。世界市場の回復により輸出が前年同月から9%伸びたほか、国内ではハリアーや小型車「ヤリス」などの販売好調が寄与した。

欧州市場の一部の国々、日本でも新型コロナ感染者が再び拡大しているが、足元では特に影響は出ておらず、「状況を注視していく」(広報担当者)考えだ。

世界販売はこれまで想定以上のペースで回復してきており、国内生産は10月に続いて11月も当初計画を上回る見込み。12月についても引き続き一部の国内工場では「休日出勤を予定している」(同)という。

(白木真紀 編集:青山敦子)