[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日に発表した2020年度上期決算によると、最終利益に当たる当期剰余金は9288億円だった。上期としては4年連続の増加で、過去最高の水準となった。上場投資信託(ETF)の残高が増え、分配金の増加につながった。

9月末の資産残高は、前年同期末に比べて21.1%増加し690兆0269億円に膨らんだ。上期として13年連続増加し、過去最高の水準となった。

貸出金が、新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペ等の増加から前年同期末比2.2倍の104兆8956億円となった。貸出金の水準、貸出金の増加幅はいずれも過去最高。

資産買入れを進めるなか、国債の保有残高は529兆9563億円と前年同期末比10.5%増加。このほかJ━REITが同19.9%増の6420億円、ETFが同24.5%増の34兆1861億円となり、いずれも保有残高が過去最高となった。国債の利息収入は5524億円だった。

9月末時点で保有していたETFは時価ベースで40兆4733億円。20年3月末の31兆2203億円から29.6%増加した。株高の効果で含み益は5兆8469億円と、前年度末の3081億円から半年間で5兆円超の増加となった。

経常利益は1兆0826億円と、前年同期の1兆0310億円から増加。ETF運用益が増加したことが貢献した。自己資本比率は8.59%と、前年度末の8.79%から低下した。

(杉山健太郎)