デンカ、50年に温暖化ガス実質ゼロへ 水力など利用
デンカは25日、2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すと発表した。従来は50年度までに温暖化ガスの実質排出量を13年度比で85%削減する目標を掲げていた。10月に政府が50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を表明したことを受け、同社も目標を引き上げた。
カーボンニュートラルに向けて水力発電を中心とした再生可能エネルギーの比率を高める。同社は現在、国内で使用する電力の約4割を水力発電でまかなっている。新潟県の2カ所では売電を目的とした水力発電所を新設中だ。具体的な計画は未定だが、水力発電所のさらなる増設や高効率な発電設備への置き換えを視野に入れる。
ほかにも二酸化炭素(CO2)を回収し、有効利用する技術を開発し、実装を進めることを掲げた。デンカはCO2を吸収するコンクリート材料を鹿島や中国電力などと開発し、製品化している。
廃プラを石油に近い状態まで化学的に分解して再利用する「ケミカルリサイクル」の実装も進める予定。まずは千葉工場(千葉県市原市)にケミカルリサイクルの実証設備を建設し、21年度末に稼働させる計画だ。