[ニューヨーク 25日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場でドルは小幅安。低調な米経済指標を受け、世界の金融市場ではリスクオンの動きが停滞しているもようだが、ドルは約3カ月ぶりの安値近辺で推移した。

米労働省が25日に発表した11月21日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は77万8000件と、2週連続で増加した。新型コロナウイルス感染再拡大や一連の制限措置を背景にレイオフが増加し、労働市場の回復を阻害している可能性を示唆した。

また、この日発表された他の指標では、10月の個人消費支出と設備投資が予想を上回り、第4・四半期が堅調なスタートを切ったことが示された。

アクション・エコノミクスのグローバル通貨分析担当マネジングディレクター、ロナルド・シンプソン氏は、「きょうの米指標はドルにはほとんど影響を与えず、トレーダーは感謝祭前のポジション調整に集中していたようだ」と述べた。

ドル指数は0.14%安の91.999。一時は91.927まで下落し、9月1日以来の安値を記録した。

ドルはここ数カ月、米金利が今後数年間は歴史的な低水準にとどまるとの見方から圧力を受けているほか、新型コロナワクチンのニュースがリスク通貨の買いを後押ししている。

米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した11月4─5日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、市場や経済に一層の支援を提供するため、資産購入プログラムをどのように調整できるかについて討議されたことが分かった。

ワクチン開発が進んでいること、イエレン前FRB議長が次期米財務長官に起用されるとみられていることから、投資家にとって2つの大きな不確実性が和らぎ、ドルは下落を続けると予想されている。

英ポンドは小幅高。スナク英財務相はこの日、4月に始まった2020/21会計年度の政府借入金が3940億ポンド(5260億ドル)になると明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大への対応に費用がかさむためで、財政赤字は第2次世界大戦以降で最悪の水準に膨らむ。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、2017年12月に付けた最高値1万9666ドルをやや下回る1万9049.13ドルまで上昇した。

ドル/円 NY終値 104.45/104.48

始値 104.49

高値 104.51

安値 104.27

ユーロ/ドル NY終値 1.1913/1.1916

始値 1.1880

高値 1.1926

安値 1.1883

(表はリフィニティブデータに基づいています)