[東京 25日 ロイター] - スズキは25日、小型車「ソリオ」を約5年ぶりに全面改良し、12月4日に国内で発売すると発表した。同社は2016年度以降、軽自動車を除く登録車販売で4年連続10万台以上を維持しており、ソリオはその立役者。新型コロナウイルスの影響で市場動向が不透明だが、鈴木俊宏社長はオンライン発表会で「新型ソリオで挽回し、20年度も年間10万台以上を目指す」と語った。

鈴木社長は、新型ソリオについて「広さ、快適性、安全性、全方位にわたって大きな進化を遂げた」と説明した。トヨタ自動車の「ルーミー」など競合も多いが、「競争が厳しくなってきたコンパクトハイトワゴン市場に満を持して投入する自信作だ」と述べた。

価格は158万1800円から。派生車「ソリオ・バンディット」も併せて投入し、月4000台の販売を目標に掲げる。コロナ感染防止策を徹底しながら、来店を促進しつつ、オンラインでも購入相談に対応する。

ソリオは国内販売するスズキの小型車で最も売れ行きが良い車種で、同社の19年度の登録車販売実績11万8000台のうち、約4万4000台がソリオだった。鈴木社長は「販売面で非常に安定している。月平均で3500台程度の販売を続けることができた」と評価した。

今年4─9月期のスズキの登録車販売は前年同期比20.8%減の4万7000台だった。通期では10万5000台を計画する。新型コロナで日常生活も例年通り維持するのがなかなか難しい中、鈴木社長は「消費者の目が車にいくか非常に危惧している部分もある」としつつ、「なんとか登録車で10万台の販売を続けていく」と述べた。

(白木真紀)