[ワシントン 24日 ロイター] - 米国のトランプ政権が連邦準備制度理事会(FRB)に対し新型コロナウイルス感染症対策の未使用資金4550億ドルの返還を求めた問題で、財務省報道官は、バイデン政権の財務長官が未使用資金の再利用を求める場合、議会の承認が必要になるとの見通しを示した。

大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、財務長官にイエレン前FRB議長を起用するとみられている。

ムニューシン財務長官は先週、新型コロナ危機を受けて導入したFRBの緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了する考えを表明。返却された資金を議会が景気対策に回せるようにすると説明している。

バイデン陣営は、財務省の決定について「極めて無責任」だと批判。金融市場の安定を図る新政権の対策が制限されるとの見方が出ている。

上院財政委員会のロン・ワイデン議員(民主党)も、ロイターに対し「新型コロナ感染症の感染急増で景気が悪化する中、ムニューシン長官は経済的な妨害行為に関与しており、バイデン政権の手足を縛ろうとしている」と述べた。