[東京 24日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は24日、足元で新型コロナウイルスの感染再拡大が見られる中、当面はこれまでの政策対応を継続し、経済や金融システムの安定を確保していくことが何よりも重要との認識を示した。

黒田総裁は「​今後、企業や家計が直面する課題が流動性から債務返済能力にシフトしていく中で、金融システムに影響を及ぼす可能性にも注意が必要」と指摘。さらに、日本の金融危機や国際金融危機後、金融面から経済に対する下押し圧力が作用した経緯があることから、長期的な視点では「金融面の不均衡のリスクについても注意を払わなければならない」と語った。

コロナがいずれ収束に向かっていく中では、長い目で見た構造変化への対応も重要だと述べた。「デジタル化やサイバーセキュリティーなど感染症の拡大をきっかけに急速に重要性を高めつつある課題に対し、社会全体で取り組んでいく必要がある」とし、こうした取り組みがポスト・コロナの世界経済の潜在成長率を引き上げていく原動力になるとの見方を示した。

これまでのコロナショックに対する政策対応については、中銀や国際機関による迅速で大量の流動性供給が行われたことで、実体経済と金融の負の相乗作用の顕在化を回避したと評価。財政政策と金融政策が連携して発動されたことも、事業や雇用の下支えにつながっていると述べた。

日銀は3月以降、感染症への対応として、1)企業などの資金繰り支援特別プログラム、2)金融市場安定のための円・外貨供給、3)ETF(上場投資信託)とJ━REITの積極的な買入れなどの措置をとっている。

国際通貨基金(IMF)と東京大学が共催するオンラインコンファレンスであいさつした。

(杉山健太郎)