世界は「セキュリティ」と「データ」に関心、日本は? 世界のDX推進状況から見た日本の現状世界定点観測で見た日本の現在

日本もようやくDXが本格化の兆しか。デルが実施した調査は日本の大きな変化が目立つものの、グローバルとの差も目についた。日本の現状を数字から見ていく。

» 2020年11月24日 10時00分 公開
[原田美穂ITmedia]

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 Dell Technologiesは、2016年から2年ごとにグローバルで企業のデジタルトランスフォーメーションの進展状況を調査し「デジタルトランスフォーメーションインデックス(DT Index)」として公表している。2020年11月19日には3回目の調査結果「DX index Report 2020」の内容が日本のプレス向けに公表された。

 調査結果を説明したデル・テクノロジーズ 黒田晴彦氏(最高技術責任者)は「(日本企業は)遅ればせながらDXに『点火』した」との見解を示した。

 DX index Report 2020は18カ国、20業種の経営層、マネジメント4300人が解答した。このうち日本企業からの回答者は200人。

1 調査概要《クリックで拡大》(出典:デル・テクノロジーズ、以下同様)

 本調査は回答した企業を独自の指標に基づいて、DX未着手の「デジタル後進企業」DXに向けた計画を検討しつつある「デジタルフォロワー」、DX推進に着手し始めた「デジタル評価企業」、DXを推進する風土が確立した「デジタル導入企業」、DXが“自社のDNAに組み込まれている”ような「デジタルリーダー」までの5段階に分類し、その推移を見ている。

 2020年の調査によると、グローバルではデジタル導入企業以降の段階にある企業が全体の80%に達したことが明らかになった。一方、日本企業の状況だけを見てみると、過去、グローバルと比べて割合が高かったデジタル後進企業が2018年の39%から23%に大幅に減ったことが分かった。デジタルフォロワー企業の割合も2018年の33%から29%に減り、デジタル評価企業が18%から33%と大幅に増加する状況だ。

2 グローバルでの推移。デジタル導入企業の増加が目立つ
3 日本の推移。グローバルと比較するとデジタル評価企業が急伸した様子が分かる

2年前との比較で見えた日本の大きな変化、だが障壁や対策には世界との差

 ここまでの結果から、過去2回の調査でデジタル後進企業が多かった日本でもデジタル評価企業が拡大しつつあることが分かった。しかし、今後日本企業のDXが順調に進むかというと、状況はそう簡単ではないようだ。「十分なスピードで変化できないと不安を感じる」とする企業は日本で約7割にのぼり、「変革への困難な障壁を感じる」とした割合はグローバル、日本ともに9割を超えた。具体的に何が障壁になっているだろうか。障壁の比較でもグローバルと日本ではやや違う結果が現れた。

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