2020/11/24

【モーリー・ロバートソン】アメリカの分断、最悪シナリオとは

NewsPicks編集部
NewsPicks編集部
トランプなき、アメリカはどこへいくのか──。
アメリカ大統領選の歴史に残る激戦となった2020年の選挙は、民主党のバイデンが勝利を確実にしている。このままいけばトランプ政権は1期4年で幕を下ろすことになる。
メディアに毎日のように厳しく非難され、弾劾裁判まで行われながらも、支持者には最後まで愛され続けるトランプ。彼のもとで、アメリカはどう変わり、そして変わらなかったのか。
NewsPicks編集部はミュージシャンにして国際ジャーナリストでもあるモーリー・ロバートソン氏にインタビューを実施。
トランプと真逆の政策や人柄を持つバイデンの4年間が始まろうとしている今こそ知りたい、アメリカの過去と未来を聞いた。
ロバートソン氏のユニークな「アメリカ論」をお届けしよう。
アメリカと「優生思想」
──トランプ時代が4年で幕を閉じようとしています。この4年間で、アメリカはどのように変わったのでしょうか。
ロバートソン トランプの4年間や、これから始まるバイデンのアメリカを理解する上で重要なのは、アメリカ社会にある「傷口」を理解することです。
選挙前、バイデンはこんな発言をしています。
私たちは幾度となく、自分の政治的利益を実現するために、人々の恐怖を煽り、古いかさぶたを剥がそうとするポピュリストを目の当たりにしてきました。
つまり、トランプはアメリカの建国以来の傷口にできたかさぶたを剥がしたというのです。
──どんな傷口でしょうか。
最も大きなものは、人種差別です。
アメリカはイギリスとの厳しい戦争に勝って独立し、「ユートピア」を作るというのが建国の精神でした。しかし、奴隷制度は植民地時代と変わらず残りました。
更にいうと、1850年代にアメリカはメキシコとの戦争の結果として現在のテキサスやカリフォルニアを領土に加えました。
しかしこのときも白人優位の考え方が非常に強かったため、白人と非白人が結婚することなどへの極めて強い拒否感がありました。
この「優生思想」は、定期的に顕在化します。