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そもそも精子バンクから全く知らない人の精子を買うとはどういうことなのか。提供精子から生まれた子供が、育ての父親とどう親子関係を築くのか。生物学上の父親を知りたいとなった時にどういうことが今の技術で可能なのか。多くの問いを二人の記録は教えてくれています。
取材をする中で、一番大きな問題だと思ったのは生まれた子供が「出自を知る」という権利です。遺伝上のルーツ、「父親」のことを一定の年齢がきたら(18歳が多い)知れるようにしようというものです。これが大きな問題として議論されるようになったのは、精子バンクの歴史の中でも最近のこと。ライアンが幼かった頃は「出自を知る権利」などは議論されていませんでした。
提供精子で生まれた子がその事実を後に知り、ひどく傷ついた人生を送ってしまうこともあります。それまでは子どもが欲しい親の望みを叶えるための手段として利用されて来ましたが、生まれて来る子どもの権利ももちろん必要です。
皆が幸せになるためには、どういった選択肢があるのか。どう問題をクリアしていくのか。これは当事者だけでなく、精子提供で生まれた子供や家族を抱える社会の問題でもあります。自分に関係ないということでは決してなく、私たち一人がそういった形の家族を社会でどう受け入れて行くのか、そのための初めのガイドのような特集にできたらと思っています。
さまざまな視点でこの課題について伝えて行きます。一緒に考え、議論ができたらと思います、よろしくお願いいたします。
初回の今日は、米国で精子バンクを使った利用して出産した女性と息子の物語。DNA解析が一般化した米国では、精子の提供者本人がDNA解析をしていなくても、その血縁者の誰かが解析をしていさえすれば、提供者にたどりつくことができるという現実が到来しています。同じ提供者の精子からうまれた「生物学的なきょうだい」探しも活発になっています。
「生物学的な息子」からの予期せぬコンタクトに、提供者の方がどう応じたのか。そこで生まれたドラマはまさに「事実は小説より奇なり」で圧倒されます。
精子バンクは、健康な提供者からあらかじめ精子を集め、凍結保存して、男性が無精子症のカップルや、独身女性、レズビアンカップルらに提供するもので、海外では営利目的の精子バンクが多数できています。背景やさまざまな課題については、明日以降の記事で紹介していきますので、ぜひご注目ください。
突然ドナーである既婚者の自分の前に何十人も自分の生物学上の子供が現れて、しかも全員ハッピーな状況でなかったり犯罪者だったりしたらどう思いますかね?
今週の特集は「精子バンクの衝撃」。不妊に悩む多様な人々だけでなく、ドナーや生まれてきた子、そして日本に商機を見出す精子バンクまで。あらゆる角度から立体的にお届けします。
そして、ライアンとウェンディの物語は、全ての読者に一度読んで見てほしい衝撃のエピソードです。
父親探しはそれなりに意味があるかもしれませんが、父親がいて本当の父親を探したいと子供に言われたらその人は落胆するでしょう。
競走馬の世界では血統が重視されます。人間がもしこの血統を重視しはじめると、愛のない人工的な世の中になってしまいそうです。
DNAの変異は、両親の愛の結晶で生まれると思いたいですね。それが育ての親であったとしても。
ただ一つ、世界が満たされてくると、個々人とかその家の発展とかの域を超えて、人類全体の種の保存に全体が向かうのだろうなあと思ってます。
全体として種が保存されれば、自分の生物学上の子どもがいなくとも、何かの形で貢献していればそれでいい。
子どもは社会全体で育てるもの。
そんなふうになっていくといいんでないかなと思っております。
ミクロでは、問題山積ですけどね。
どういう議論が巻き起こり、日本でどう整理されていくのか、注視していきたいと思います。
日本上陸(輸入)したら、そもそも日本人でない「父」だと、見た目だけでも目立ってしまう可能性があるので、だいぶセンシティブ。日本人同士ならまだアリだと思う。
卵子凍結は進んでいるので、そのうち選択肢の一つになるのでしょう。
それと競馬の種馬(失礼!)ではありませんが、少なくとも20人に優秀な遺伝子を提供しつつ未婚を貫いているライアンの「父親」は、どんな心境なんだろうなぁと想像しています。