【基本解説】日本人が知っておくべき、RCEPの3つのポイント
コメント
注目のコメント
基本合意と署名を達成したRCEPですが、様々な議論をみていて違和感が拭えませんでした。RCEPや東アジア情勢の的確な理解を妨げるリスクも感じ、アジア国際政治を専門としている大庭三枝先生のお話しも踏まえて独自解説をしました。
大庭先生には、以前、ASEAN経済共同体発足のタイミングでNewsPicksに寄稿を頂いています。5年近く前の論考ですが、長期的視点からの内容ですので、今でも読み返す価値があると思います。
「激動の国際政治。巧みに生き残ってきたASEAN」
https://newspicks.com/news/1343888/
「安全保障の比重高まる。大国にとらわれすぎない見方を」
https://newspicks.com/news/1345932/
追記:こちらの記事がNewsPicks在籍中に執筆した最後の記事となりました。2020年11月末にユーザベース/NewsPicksを退社し、12月より米国リスクコンサルティングファームのKrollシンガポール支社にて働いております。今後ともよろしくお願い致します。バランスよく的確にまとまった記事。
日本の報道では中国主導と解説されることが多いが、ご指摘のようにこれはRCEPの経緯と実態を無視した思い込み。交渉の現場でも大国がルールを押し付ける構図にはなっていない。ASEANにとって、ASEANを一体化する求心力こそ大事。
ただし中国が早期成立を望んだのは事実。米中対立の中で、「米国抜きのアジアでの枠組み」は政治的価値が大きい。
日本はASEANの意に反して妥結を先送りするわけにはいかない。
一点インドについて補足
「経済と安全保障を分ける」にはいいが、「インドは安全保障だけ」というわけにはいかない。中長期的に中国を念頭に、経済面でもインドをサポートする必要がある。
一つの現実的アイデアが日豪印による「サプライチェーン強靱化イニシアチブ」。インドも受け入れやすい。ただし日豪印だけでは意味がなく、ASEANの参加が不可欠で、日本の外交手腕が問われる。域外、特にヨーロッパにおける、正確な理解は
欠けている。
経済同友会では、国際対話の為、イギリスの
経済団体であるIODと定期的に、オンライン
会議を行っている。
RCEPの話をしたところ、英国の経営者は
その存在を今回の報道で知り、内容については
殆ど知識が無いと言われていた。
ドイツでの報道は、中国一色である。
特に米国との対比で語られ、その規模と
中国の野望への一歩という報道である。
従来中国に好意的報道が多いドイツでの、
微妙な変化も併せて感じる。