新着Pick
1244Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
連載もいよいよ終盤三回目です。今回はスタートアップの「未上場か上場か」という選択肢について考察をしてみました。これまでの二回と同様に、できる限りスタートアップや資本政策に馴染みのない方向けに、わかりやすく工夫しているつもりです。至らない点はご容赦ください。

日本のスタートアップエコステムにとって、長らく「IPOは憧れ」であり、「IPOはスタートアップのゴール」でした。「未上場か上場か」という論点は存在しませんでした。

確かに、一定の成功をおさめた中小企業を生み出すという観点ではIPO/上場は素晴らしいゴールです。また、長年エコシステムのボトルネックであった終身雇用、大企業主義の日本の「常識」を変えていくために、「人材の流動化」を促し、「起業家という希少人種」を増やすために、上場というゴールは有効に機能していたと思います。

ただ、今GAFAという巨大企業、BATを中心とした中国ネット企業の台頭をみて、何も感じない人はいません。今、「上場はゴールではない」と明確に認識すべき時代が到来しています。認識が遅すぎたという指摘はありますが、そう言っても仕方ありません。

そこで改めて考える必要があるのが「IPOとは何か」「未上場か上場か」という問いです。

この問いを考える上での基本的な理解をお伝えするために、本稿を執筆しています。少しでも多くの方にこの論点自体をまず認識いただき、「IPOをスタートアップのゴール」としてではなく、「IPOをスタートアップの通過点」として捉えることで、その先のより大きな成長、社会へのインパクトを皆で目撃できる機会を少しでも増やしていければと思います。

(参考note)
メルカリ
https://note.com/201707/n/nd0c83ac5d4ca

ライフネット生命
https://note.com/201707/n/n73837225a14b

BASE
https://note.com/201707/n/n6fb5e0b21c35
早すぎる・小さすぎる上場の議論、大型調達のメリットとデメリット、様々な論点が網羅的に可視化されており必読。

経営サイドで体験的に最も重大だと思っている「上場している状態のメリット」を追加すると、
経営の方向性が見える化されること。
数字も、外部からの評価も、資金調達のプロセスや結果もすべてオープンになるのは、経営者は負担に感じるかもしれませんが、全社員からするとわかりやいものです。
いわば、密室で決まる状態と、大統領選挙のように全員が公表された数字の中で参加する状態の違いです。未上場の時期の経営者とリード投資家との対話は、いわば数名の考えで重要な事業計画の修正や資金調達、投資が決定される密室政治に近い。もちろん良い面もありますが、社員からすると経営者が絶対の存在になります。
上場していると経営者だけではなく、その先にいる資本市場や開示する方針や成績こそが絶対であり、一人の人間ではなくもっと大きな世界との対話になっていくのが実感されます。
米VCのアンドリーセン・ホロウィッツの著名なキャピタリストが書かれた書籍が邦訳されました。

「VCの教科書-VCとうまく付き合いたい起業家たちへ」
https://str.toyokeizai.net/books/9784492654910/


これはベンチャービジネスに関わられる方は目を通した方がいい本だと思いました。

この中で、
アーリーステージの投資先の決め方について、
「VCの場合は、一に市場規模、二にも三にも市場規模だ。大規模な市場が好ましく、小規模な市場は好ましくない」
との記載があります。

日本でこの議論していたら、ほとんど投資できなくなってしまいます。日米で投資プロセスがいかに違うか、その帰結としての上場後の低迷企業の多さ。GAFAMなんて生まれるはずもなし。

本稿は色々な側面から考えさせられますね。
三回とも、興味深く読ませていただきました。
シニフィアン村上さんによる骨太な記事。

最近思うのは、信じられないようなグロースを作り続けるには、市場や投資家の誰もが信じられる成長ストーリーではなく(その領域なら競争も厳しく圧倒的に勝つのは難しい)、起業家や経営者のみが信じられるコンセンサスのない未来にbetし続けることが大前提にあると思う。

つまり、ピーターティールの言う、What important truth do very few people agree with you on?、が軸。これは上場しても同じで、そのためにアメリカではdual class sharesのようなファウンダーが独断で意思決定し続けられる状態が好まれている。

日本では東証的に上場後こうした手当てが難しいので、ファウンダーの持分比率をあまり下げすぎないのが現状の解とならざるを得ない。
上場以外の選択肢が増えていることはポジティブだと思う。ただ、GAFAほどの成功は収めていなくても、2000年前半までに設立したスタートアップでの成功事例は、多少ある。
具体的にはエムスリーは2000年設立で時価総額5.6兆円、現在日本で21番目の時価総額となっている、あとはMonotaRO時価総額1.4兆円。ほかに老舗(早くから高評価だった企業、という点で)としては、Zホールディングス約3兆円、楽天1.6兆円。
早くに成長マーケットに飛び込み、コアで高収益を築き、その事業を成長し続けたり、周辺部に広げている企業。個人的にはこういう「研ぎ澄ませて成長させる企業」が大好き。時間が経っても戦略がブレないし、ブレないから時間とともにオペレーションも成熟し、新規参入者との競争力がさらに広がる。稼いでいるからチャレンジの量・規模も大きくなる。
資金調達をして攻めやすくなっている。ユニットエコノミクスが成立した状態での攻め(いわゆるJカーブ)は非上場の方がやりやすいと思う。その後にさらに広げるという観点では、上場しマーケットに晒されてステークホルダーが増えて多様になり経営を磨くというステップも個人的には良いと思う。
今のエコシステムの変化が正しかったかが判断されるのは、2025-2030年くらいに、これらと肩を並べる企業がどれだけ出てくるか。磨き込んで大きく成長する企業がどんどん出てきてほしい。
村上誠典さんによる「スタートアップの資本政策」解説、第3回。今回は「上場と未上場」それぞれのメリット・デメリットについて解説しています。

スタートアップにとって、上場が一つの到達点であることは間違いありません。一方で「上場ゴール」という言葉もある通り、IPO時に株価がもっとも高く、その後低迷してしまう銘柄もちらほら。「スモール上場には意味がない」と助言する人もいれば、「そろそろ投資を回収したい」というステークホルダーもいて、起業家にとって上場のタイミングは、もっとも悩ましい問題なのかもしれません。

そんな難しい判断のポイントについて、12000字で本格的に解説いただきました。じっくりと休日に学びを深めていただきたい内容です。そして前回同様、起業家に対する視線が優しくなるかもしれません。
上場が目的化しがちな今日、わかりやすく上場の意味や目的を紐解いてくれる。
上場だけが選択肢ではないことに気づこう。
10年前と比較して、スタートアップにとって資金調達や資本政策の選択肢が増えています。VCなど外部の投資家から資金調達をする場合にはM&AかIPOなどExit機会の提供が必要になりますが、IPO前提の準備を行なっている場合M&AとIPOの選択肢を持つことができます。一方でM&A前提で資本政策や組織体制を構築していった場合、IPOに舵をきるのは内部統制や関係者のアサインなど一定の時間とコストがかかる事に留意が必要です。
とても読み応えのある内容で、大変勉強になりました。
今も昔も『IPO』は、『配当利回り』や『優待』と並んで多くの個人投資家にとって最強のパワーワードです。スマホで気軽に株式投資できるようになった今こそ、多くの方に読んでもらいたい、知ってもらいたい事実です。
世界のFinTechベンチャーには大型投資が集まっています。2020年の第3四半期までの9カ月間で、1回あたり1億ドル(100億円)以上資金を調達した件数は83件もあります。

1,000万ドル以上を調達した件数は405件。金額にすると303億ドル(3兆円強)となります。日本の調達環境はまだまだ未整備ですね。

日本経済を活性化するためにも、起業家をもっと育てられる環境が必要です。

中国の双創政策によって2019年に生まれた新規企業数は、2,179万社と驚異的です。
この連載について
教養を身につけたいけども、忙しすぎて学ぶ時間が取れない。一方で、日々のニュースだけでは、体系的な知識を得られない──。そんなビジネスパーソンに向けて、NewsPicks編集部が月ごとにテーマを設定し、専門家による解説記事をお届けする。週末のひとときで、手軽に「新書一冊分の知識」を体得してほしい。