[ワシントン 19日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が19日に発表した10月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は、年率換算で前月比4.3%増の685万戸と5カ月連続で伸びた。ただ、在庫が減少する中で住宅価格は過去最高水準にあり、今後勢いが鈍化する可能性がある。市場予想は1.2%減の645万戸だった。

9月の数字は当初発表の654万戸から657万戸へ上方改定された。

中古住宅は住宅販売の大半を占める。全4地域で増え、引き続き高価格帯の住宅に集中した。10月の前年同月比は26.6%増だった。

過去最低水準にある住宅ローン金利が住宅市場を押し上げている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により労働人口の少なくとも21%が在宅勤務しており、在宅オフィスや在宅学習のために広い家を求め郊外や人口が少ない地域に人が移っている。

新型コロナにより米経済は2月に景気後退入りした。打撃を受けた人は低賃金労働者に偏っている。米国では2000万人以上が失業保険手当で生活している。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、米国の30年固定住宅ローン金利は平均約2.84%の低水準にある。

住宅の供給は需要に追いつかない状況が続いている。住宅建設業者は建設ペースを加速しているものの、住宅価格は初めての購入者の多くにとって手が届かない水準まで上昇。前日発表された住宅着工件数は、住宅市場の大半を占める一戸建て住宅が07年4月以来の高水準を付けた。

住宅在庫は前年同月比19.8%減の142万戸だった。販売価格の中央値は前年同月比15.5%増の31万3000ドルとなった。

10月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.5カ月と、統計開始以来の短さになった。9月は2.7カ月、前年10月は3.9カ月だった。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされている。