コンテンツ制作費をGDP算入 価値創出「投資」など6.7兆円―内閣府
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GDPに反映されない経済活動をどうGDPに反映させるかはこれまでも色々と議論されてきました。
他方で、各国でルールが異なると、国際比較が意味をなさなくなるという深刻な問題が出てくることになります。GDP統計は日本経済の姿を包括的に表すただ一つの指標です。計上基準を変えても経済活動の実態が変わるわけではありませんが、そこから読み取れる日本経済の姿は変わります。アベノミクスが2020年に600兆円という目標を掲げたのちに行われた2015年の改定では、GDPの水準が32兆円上方修正され、改定以前の成長率はさしてかわらないものの、将来の見通しは上昇し、不変とされた600兆円の目標がその分、近づく結果となりました。残念ながら、新型コロナウイルスの感染拡大で目標達成はいずれにしても難しくはなりなしたけど (^^;
前回の改定でGDPを大きく押し上げたのは研究開発に要する費用の資本化でした。今回は『漫画・アニメ映画のヒット作「鬼滅の刃」に象徴されるコンテンツ制作』にかかる費用の資本化です。企業が持つソフト資産が重要性を増すなか、時宜を得た改正といえば改正ですが、研究開発投資以上に娯楽的な要素の強いそれらが“設備投資”と同じくどこまで将来の経済活動に貢献するものか。今回の基準の改定でGDPは6.7兆円拡大するとのことですが、労働分配率や潜在成長率といったものの表面上の数値も変わるはず。
経済活動の実態はかわらなくとも数字に表れる経済活動の姿は変わりますから、そのあたりに留意しながら経済を眺めることが必要になりそうです (@_@)コンテンツ制作費やソフトウェアサービスの開発費用が無形資産への投資がGDPの設備投資に振られることになるとのこと。これに連動して民間の金融機関も設備投資に対する貸付がしやすくなったりするとファイナンスの手段が多様になって嬉しいこともありそう。