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【完全解説】歴史がわかれば「タイのデモ」を理解できる

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    タイは、日本企業の多くの東南アジアにおける中心地です。特に、自動車などの製造業が東南アジアに張りめぐらしたサプライ・チェーンが完成品を組み立て、輸出していく拠点です。
     タイが日本の製造業拠点として都合がいいのは、タイという国のあり方と経済に理由があります。タイは、1人あたりGDPが長らく3千ドルあたりを低迷していて、現在は7千ドルまで上がりましたが、今年急落するでしょう。タイでは、豊富な土地と水、そして安価な労働力としてのタイ人貧困層やカンボジア、ミャンマーといった周辺諸国からの出稼ぎ者が、外国企業に提供されます。
     タイは、中進国の罠に陥っているとよく言われます。これは、タイが先進国となるためには克服しなければならない多くの課題を放置してきた、ということでもあります。外国企業に土地と安価な労働力を提供して経済は成長してきましたが、タイ発のグローバル企業は(CPを除けば)出てきませんでした。
     王制の側近たちと国軍は、高付加価値の商品をつくる新興企業が出てきた時は、潰してきたともいえます。今回デモをしている大学生たちが前回の総選挙で投票したのは、新興企業家タナトーン氏が率いる新党、新未来党でした。タナトーン氏は、貧困農民層を基盤とするタクシン元首相派と組み、下院で多数派の首相候補になりましたが、国軍の判断で当選を無効とされ、国軍が政権を持ち続けています。
     大学生たちのデモは、タイが先進国として生まれ変わるためのもがきでしょう。彼らが非効率の根源と見ているのは王制と国軍ですが、それだけでは足りません。本当に先進国になるなら、日本や韓国がしてきたように、今なお国民の4割を占める農民にも教育と高所得への機会を用意し、内需を増大しなければなりません。そこに踏み込めなければ、大学生たちのデモも特権層の憂さ晴らしに過ぎないものになり、王制と国軍との血を流す衝突には至らないでしょう。


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    WAmazing株式会社 代表取締役社長:経営者

    とてもわかりやすい解説、歴史です。貧困格差による分断がこれほど長くずっと続く背景には、タイに限らずすべての人間社会で、格差は固定化しやすいという事実があるのだと思います。
    つまり、貧困家庭に生まれた子供は、どんなに才能があっても、どんなに努力をしても、そこから這い上がることが難しい。
    結果の平等は共産主義的理想で、なかなか難しかったですが、「機会の平等」は担保しないと不満がたまり社会は不安定になります。
    まさにカードゲームの「大富豪(あるいは大貧民)」のよう。
    カードゲームでは4枚カードをそろえば、「革命」として、大貧民と大富豪が逆転しますが、現実世界では、なかなかそんな逆転劇は起こらない。
    何度も革命の兆しはあっても、きれいな逆転劇にならなかった、これがタイの歴史なのだと理解できました。

    ところで私事ですが、まだWAmazingを創業して間もないころ、タクシン元首相に個人的に事業プレゼン(ピッチ)をする機会がありました。
    タクシンさんは、政治家として有名ですが、もともとは記事中にもあるように、実業家なのです。エンジェル投資家として出資いただくというのは、かなわなかったですが、たくさん鋭い質問をいただきました。
    この人は実業家で、ビジネスが好きなんだなぁと感じたその時を、よく覚えています。

    タイから日本への訪日インバウンド旅客は増え続け、コロナ禍前には1年間で、100万人を超えました。この記事でいうところの上位4分の1にあたる富裕層が来ています。東南アジア諸国の中では、もっとも日本への来訪人数が多い国です。私は今後もっと、深くこの国にかかわることになるでしょう。その時に、もう1度、タクシンさんにアタックしたいです。


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    リブライトパートナーズ 代表パートナー

    トップたった一人が変わっただけで国全体がこうも変わるのか、という事を現地でまざまざと体感しました。前国王が崩御した頃にバンコク市街地に行くと遺影写真がショッピングモールやら街頭いたるところに置かれていた、それまでのタイは不敬罪が有名なくらいゆめゆめ王族批判など口に出来ない国でした。が、現国王の就任から一変し今では国王に石持てデモする人で溢れている。

    長年東南アジアで仕事していますが、正直、日本人が一番好きな都市を挙げろと言われて間違いなくトップに入るであろうひとつがバンコクでしょう。経済的な結びつきが強く、文化的親和性が高く、ともかくも住みやすくて良い都市です。しかしこうなると、なかなかきれいに解決という事は難しいでしょうが、少しでもマイルドになって欲しいものです。


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