[マドリード 13日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は13日、スペインの2020年経済成長率について、第3・四半期の力強い景気回復により、当初予想(マイナス12.8%)ほど落ち込まないとの見通しを示した。

第3・四半期の国内総生産(GDP)は前期比16.7%増加した。ただ、前年同期の水準は8.7%下回った。

スペインの新型コロナウイルス感染者は140万人を超えており、観光業への依存度が高い国内経済への打撃は、欧州の中でも特に深刻。

IMFは、借り手支援策の終了に伴い、スペインの非金融企業部門で不良債権が膨れ上がる可能性が高く、銀行の収益と融資能力が悪化する恐れがあると指摘した。

スペイン政府は、20年の成長率はマイナス11.2%と予想している。21年は少なくともプラス7.2%に回復すると見込んでいる。

IMF代表団の責任者アンドレア・シェヒター氏は、20年の落ち込みは政府予想に近い数字になるとの見方を示した。

ただIMFは、政府が21年度予算案で想定している21年の成長率予想は「楽観的だ」と指摘している。政府は、21年は最大9.8%のプラス成長が見込めるとしている。

一方IMFは、21年成長率は7.2%と予想している。