隣国スーダンに2万5千人 エチオピア紛争、難民拡大
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ティグレイは90年代以降長くエチオピアの政権の中枢にあり、強権政治といってよい政治を行ってきました。その行き詰まりから、人々から改革の期待を受けて2018年に誕生したのがいまのアビー首相・政権です。そういった経緯から、いまの紛争状態をティグレイの支配からようやく名実ともに脱する世直しと受け取っている人たちも現地にはいます。とはいえ混乱が起こればより困難に陥り影響を受けるのはいつでも一般の庶民ですが。。
どちらかというと政治パワーをめぐる反乱と鎮静で、民族対立による紛争とは少し違うように思います。
なお、エチオピア人であるWHOのテドロス氏も、ティグレイの出身で、保健大臣になったのもティグレイ政権においてです。
戦闘地域となっているエチオピア北部、美しいところです。かつての政権のお膝元ということもあり、国営企業や工業団地も存在しており、大手の縫製工場も立地しています。ここで作られた衣料が日本にも輸出されたことがあります。エチオピア中央政府と北部のティグレ人(約450万人)の州政府の間で激しい戦闘が始まりました。アゼルバイジャンとアルメニアの間で9月末から11月まで続いた戦争と比べても、世界の注目は限られています。ロシアのような力によって紛争を抑え込もうとする大国も、この場合は見られません。
多民族国家のエチオピアは、もともと民族問題を抱えてきましたが、紛争につながりつつあります。北部のティグレ人、西部のグムズ人などの地域で戦闘になっています。
ティグレ人が国外に逃れる場合、すぐ北のエリトリアが一番近いです。エリトリアなら、同胞のティグレ人も180万人います。しかし、エチオピア中央政府は同様に民族問題を抱えるエリトリア政府と手を組み、ティグレ人がエリトリアに逃げ込めないようにしています。その結果、ティグレ人難民は、西のスーダンに向かっています。
アフリカ各地では、他にもモロッコと西サハラ、イスラーム国系勢力が支配領域を拡大しているモザンビークなど、紛争の拡大が見られますが、欧米の大国が積極的な介入姿勢を見せているところは少ないです。フランスが、マリなどに少し軍を派遣しているくらいです。
VIDEO Ethiopians fleeing fighting return to famine-era Sudan camps
https://twitter.com/AFP/status/1327702197526818819エチオピア最大のオロモ族出身のアビイ首相は、エリトリアとの和平を実現したことが評価され、ノーベル平和賞を受賞した。そのアビイ首相がエリトリアと手を組んでティグレ人の行き場を封じているとは何とも残念。