21.3期第2四半期振返りまとめ

本荘武宏氏(以下、本荘氏):大阪ガスの本荘です。平素は、当社事業についてご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。2021年3月期第2四半期決算について、説明します。新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、動画配信方式での説明とします。

当期は、原油価格下落によるガス需要のスライド影響など、一時的な増益要因がありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大が事業の広範囲に影響し、実態としては厳しい状況です。今後もその影響は継続すると考えています。

しかしそうした状況下においても、まずは感染防止対策の徹底を図り、最優先で安定供給をはじめとする事業継続に努めるとともに、デジタル活用などの工夫を行いながら、国内外において、持続的な成長に向けたさまざまな取り組みを進めてきました。詳細は、8ページ以降で説明します。

国内エネルギー事業の取組み①

国内エネルギー事業における事業継続に向けた取り組みとして、マスク着用、リモートワーク、時差出勤の継続などによる感染防止に努めています。その上で、エネルギー安定供給に向けた取り組みとして、製造所におけるLNGやLPG受け入れの非接触荷役作業や、オペレーター交代勤務時のリモート引継ぎ、新型コロナウイルス感染症影響下を想定した、全社総合防災訓練などを実施しています。

客先では感染防止に加え、ガス・電気料金の支払い延長措置、ショールームの3Dバーチャル見学、医療従事者を応援するハートフル弁当プロジェクトなどを実施し、コロナ禍でのお客様の利便性向上などに努めました。

国内エネルギー事業の取組み②

客先への訪問活動に制約を受ける状況ではありましたが、サービスメニューの拡充などにより、お客様アカウントの拡大にも取り組みました。電気料金メニューでは、ABEMAプレミアムとセットの「ウィズABEMAプラン」。ジャニーズをアンバサダーに起用した「ミライトでんき」の提供を開始しました。

サービスでは、IOTガス機器の連携先拡充や、IOT対応警報機「スマぴこ」の発売、住ミカタ・サービスのメニュー拡充などを行いました。住ミカタ会員数は、40万人を突破しています。業務用等のお客様向けには、ウエストホールディングスと連携した、自家消費型太陽光発電「D-Solar」サービスを開始しています。

また、賃貸集合住宅向けのサービスを拡充し、さらに提案の幅を広げています。これらの活動により、9月末時点のお客様アカウントを923万件とし、前期末の910万件から着実に増やすことができました。

国内エネルギー事業の取組み③

ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、新たな顧客接点機会の創出にも取り組んでいます。「ガスてん」は当社のガスをご利用いただいているお客様向けのイベントで、1955年にスタートし、今年で66回を迎えます。毎年多くのお客様にご来場いただいていますが、初めてウェブを活用した形式で開催しています。

「つながる」をテーマとしたさまざまなコンテンツでお客様と繋がるとともに、抽選やスタンプラリーを通じて、お客様とNPO団体・飲食店などの地域社会を繋げる取り組みを行っています。

国内エネルギー事業の取組み④

デジタルトランスフォーメーションについても、さまざまな分野で、アライアンス先の技術・ノウハウを積極的に活用しながら進めています。

AIおよびドローンなどの新しい技術を活用したサービスや業務改革を進め、お客様の利便性向上や業務効率化、安定性向上などを実現してまいります。

国内エネルギー事業の取組み⑤

電源ポートフォリオ拡充では、福島天然ガス火力発電所1号機と2号機が営業運転を開始しました。国内外の電源持分要領は、建設中の施設なども含めまして、約640万kWとなりました。

再生可能エネルギーへの取り組みも加速させており、新たに洋上風力の環境アセスを進めたほか、ウエストホールディングスとの太陽光発電電力の長期調達契約の締結、家庭用燃料電池「エネファーム」によるVPP構築実証事業の開始など、低炭素、脱炭素社会への貢献に向け、活動の幅を大きく広げていきます。

海外エネルギー事業の取組み

海外エネルギー事業は、米国金利の低下・原油価格の下落による減益影響を受けましたが、フリーポートLNGプロジェクト、サビン・シェールガスプロジェクトの事業自体は順調に進捗し、着実な利益貢献を実現しています。フリーポートLNGプロジェクトについては、第2、第3系列が順次商業運転を開始しています。さらなる利益貢献の拡大を実現していきます。

その他、Sol Americaによる太陽光発電プロジェクトの開発、米国スリーリバーズ天然ガス火力発電事業への参画など、電源ポートフォリオの拡大も進めました。

21.3期第2四半期決算及び21.3期見通しのポイント

次に、2021年3月期第2四半期決算と、通期見通しの概要について説明します。当期の連結経常利益は、電力事業の増益やガス事業におけるスライド差益の影響などにより、前年から49億円増益の548億円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年から33億円増益の367億円となりました。

通期見通しについては、ガス事業におけるスライド差益の影響やガス事業費用減による増益、LNG販売事業の増益がありますが、ライフ&ビジネスソリューション事業や、海外エネルギー事業などの減益もあり、連結経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前回見通しから変更ありません。

新型コロナウイルス感染症拡大が業績に与える影響

当期の実績および通期見通しにおける、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、ご覧のとおり、事業の広範囲に及んでいます。第1四半期時点では業績への影響を合理的に算定することが難しく、その時点で明らかに顕在化していた影響のみを織り込みましたが、今回は現時点で想定される年度末までの見通しを踏まえて修正しています。

具体的な金額や影響は、のちほど説明します。

21.3期第2四半期決算の対前年比較

当期の連結経常利益は前年から49億円の増益ですが、ガス事業のスライド差益の影響を除くと、ガス販売量の減少、海外エネルギー事業やライフ&ビジネスソリューション事業の減益などにより、前年並みとなりました。

ただし、燃料小売の着実な契約獲得やフリーポートLNGプロジェクト、サビン・シェールガスプロジェクトの利益貢献などにより、電力事業時価評価影響を除く海外エネルギー事業は、前年から着実に増益しています。

21.3期見通しの対前回見通し比較

通期見通しについては、先程説明したとおり、連結経常利益は前回見通しから変更ありません。国内エネルギー・ガスセグメントの利益は、ガス事業のスライド差益の影響、ガス事業費用の減少、LNG販売事業の増益を織り込んでいます。

海外エネルギーセグメント利益は、出光スノーレで税制優遇による増益はありますが、米国のエネルギー価格の低下による北米ITP事業の減益が大きく、前回見通しから減益となる見通しです。その他、フィットネス事業をはじめとする、ライフ&ビジネスソリューション事業などの減益を織り込んでいます。

21.3期第2四半期の成長投資実績

成長投資は、国内エネルギー事業の発電所やM&Aの他、北米上流事業の開発、都市開発事業など、688億円の投資を実行しました。財務健全性指標は、一部について資本制が認められるハイブリッド社債を考慮すると、自己資本比率が49.6パーセントです。

D/E比率が0.66となり、中期経営計画で掲げた自己資本比率50パーセント程度、D/E比率0.7程度を維持しています。今後も財務健全性とのバランスを確保しながら、企業成長に向けた投資を進めてまいります。

その他、詳細についてはホームページで掲載されている資料をご覧ください。以上で、私からの説明を終わります。