国際的なオープンソースに乗るアリババ、新しい流れを作るテンセント
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まず、GitHubやGitLabが米国の貿易規制(EAR/ITARなど)の影響を受けて、貿易制裁を受けている地域(クリミア、キューバ、イラン、北朝鮮、シリア)に提供している法人アカウントのソースコードにアクセスできないように制限をかけていることは事実です。これは米国の法律に則っているものではありますが、GithubやGitlabの経営者・従業員にとっても内心忸怩たる思いがあるでしょう。
このような制裁の対象に中国がならないかというとそうではないわけで、事業継続プランニングを考えると、自国内のクラウドにGitHub Enterpriseを導入したり、自前でGitServerをたてたり、あるいは自国内のクラウドサービスを使うのは自然なことかと思います。
さらに、アリババ・テンセント等のプラットフォーマー企業にとって開発環境を抑えたいというのは、これからにとって強い競争力の源泉になりますから、このあたりをおさえたいという競争もあるでしょう。
このような事情から開源社が勢いを増すのは当然のことかと思います。そのことと、企業のいわゆる「オープンソース」活動をどのように捉えるのかは別物かと思います。現在のソフトウェアサービスにおいてオープンソースな成果物の肩にのっていないようなものは存在しえませんから、このような活動に敬意を持って参加することはあるでしょうし、利用が加速することで自社内では持ち得ない開発リソースを調達してクオリティをあげることができるかもしれません。競争力の源泉そのものではないものであっても公開することで開発者のモチベーションやブランド力を挙げられたりもするわけです。オープンソースの思想はテクニカルなエコシステムを支えるのに必須の考え方なので、この記事の通りイデオロギーに巻き込まれないことを切に願います。
それから、旧態依存とした知財の思想(特に製造業)ともバッティングするので、DXを掲げる企業はちゃんと理解しないといけないと思います。とある大企業との取り組みで、使用しているオープンソースのリストを全て開示してほしいと言われた時は正直呆然としました…弊社そもそもRuby使ってるんですけど、みたいな。このようなオープンソースエコシステムが生まれていくのは技術発展には欠かせない要素。中国発のGiteeは今後より一層注目されるプラットフォームになると思います。