[東京 12日 ロイター] - 内閣府が12日に発表した9月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は前月比4.4%減となり、減少幅は事前の見込みより大きくなった。四半期では新型コロナウイルスの影響などで大幅な落ち込みとなった4━6月期から回復せず、前期比0.1%減と小幅な減少ながら5四半期連続で減少。10━12月期も1.9%減と、減少に歯止めがかからない見通しとなった。

7━9月期の実績値は船舶・電力を除く民需で同0.1%減と、ほぼ横ばいながら減少となった。7月、8月には増加していたが、9月の落ち込み幅が大きく、市場関係者の間で増加に転じるとの見方が目立っていたにもかかわらず、回復には至らなかった。

金属製品や汎用・生産用機械は2桁増と大幅に回復したが、自動車関連は1桁増にとどまり、4━6月期の落ち込みからの回復が鈍い。また運輸業や不動産業は回復したが、卸・小売業は引き続き前期比で減少した。

この先、年内も設備投資姿勢が前向きに転換する可能性は低いようだ。10━12月期の見通しは、製造業、非製造業ともに減少となっている。グローバルな設備投資の回復感もいまだに弱いため、外需も再び減少に転じる。企業の設備投資計画は引き続き慎重姿勢が続くことが予想される。

農林中金総合研究所の南武志・主席研究員は「コロナ禍が続いていることを踏まえると、リーマン・ショック後と並ぶ6四半期連続の減少となる可能性が高そうだ」とみている。回復が比較的順調な中国向けの輸出に携わる企業以外では、多くの業種・企業で今後、余剰な資本設備が意識されるとみており、「今年度下期を通じて、設備投資は底ばいが続く」との見通しを示している。

9月単月の動きをみると、ロイターの予測中央値である前月比0.7%減と比べて落ち込み幅が大きくなった。

受注額水準は7193億円。新型コロナウィルスの影響などで落ち込む前の8000億円台の水準には依然及ばない。製造業は前月比2.0%増の3174億円、非製造業(除く船舶・電力)は同3.2%増の4253億円だった。

外需は前月比16.7%減で、前月の大幅増の反動もありそうだ。

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