[10日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は10日、新型コロナウイルス感染が再拡大する中、人々が一段と行動に慎重になることで景気が減速する恐れがあるとし、打撃を受けている産業分野に対する一段の支援が必要との考えを示した。

デイリー総裁はロイターのインタビューに対し、「(米経済は)緩やかなペースで拡大し続けるとみている」とし、新型コロナウイルス感染症ワクチンを巡るニュースには勇気付けられたとしながらも、現在見られている感染拡大を「懸念している」と表明。米大統領選の結果を巡り国内で見解が一致していないことも、経済に対する「不確実性」が増大する要因になると述べた。

その上で、一部の産業分野がもはや支援が必要がないほどに回復した一方で、外食産業や旅行業などの特定の産業は苦境から脱しておらず、一段の支援が必要になっていると指摘。「事態が収束すれば、米経済は前進に向け良好な位置に付けている」としながらも、「現時点では、経済は新型ウイルスの支配下にある」と述べた。

デイリー総裁はこれに先立ちCNBCのインタビューで、連邦準備理事会(FRB)は景気支援に向け実施可能な一段の措置を検討しているとしながらも、現在の金融政策は良好な位置に付けているとの認識を表明。「必要に迫られた場合、どのような追加策が実施できるのか、また、資産買い入れ策を巡る将来的な計画をどのように伝えるべきか、討議されている」と述べた。

その上で「新型コロナウイルス感染拡大を受け一段の景気減速が予想されているが、FRBの政策はこうした経済情勢に対応している」と述べた。

このほか、新型ウイルス感染症ワクチンに関するニュースは歓迎するとしながらも、感染拡大への対応が最優先事項と指摘。政府の追加財政支援策が必要とし、政府の支援策がなければ、経済成長は鈍化すると警告した。

*内容を追加しました。