強くなったトヨタ、カイゼンの底力とは 2020年度中間決算を読み解く
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トヨタ社の2020年度中間決算を、自動車経済評論家・池田直渡さんが読み解いています。記事序盤で決算内容を振り返りつつ、後半でその理由と展望を考察。締めでは、トヨタのミッションとマネジメントについて言及されていました。
自社メディアで第三者からの考察を載せるトヨタイムズの施策には、ブランドコンテンツの編集をしている身として見習うべき点がたくさんあるのですが、下記文言が個人的にぐっときました。
>これからのトヨタを指し示す新たなミッションの定義があった。それは「幸せを量産する」という新たな行動規範だ。筆者はむしろ、その新たな行動規範がこれからちゃんと守られているかどうか、に注目していきたいし、もしそれがブレるようなことがあれば、厳しく指摘していきたいと思う。海外の友人と話していて感じるのは、信頼されている日本企業の代表として必ず名前があがるのは、トヨタです。
特に北米では、フォルクス・ワーゲンは信用出来ないが、トヨタは信用出来る企業というイメージが出来上がっています。トヨタは休まない、いかなる時も原価低減に努める、その結晶に他ならない。これがトヨタの強さ、コロナで軒並み赤字計上が当たり前になる環境下でも、黒字を出すトヨタを乾いたタオルを絞ると表されます。
原価低減を協力会社につけ回している大企業は、コロナ禍でそれもできなくなれば、途端にツケ回しのツケがそのまま反映されます。そういうことがトヨタには起きていないということは、トヨタは自らを厳しく律しているということを証明しています。
生産減によってできた待ち時間を生産改善の資源に活用するトヨタと、対策ばかりに明け暮れて、現場での改善には無頓着な企業は、大きく違いますね。
トヨタの源流、佐吉翁の「働くとは傍を楽にすること」という精神が、協力会社が苦しい時に、強引な値引きを要求する浅ましさとは無縁だったことが、コロナ禍が証明した訳です。
儲からないことを他責にするような経営者は、血の滲むような努力を自ら行なっているか、反省すべきではないでしょうか。