エイベックス「虎の子」南青山の本社ビル売却へ
コメント
注目のコメント
2020年3月期有価証券報告書によれば、エイベックス本社事務所の簿価は土地294億円、建物139億円、合計433億円。建物は2017年竣工(建て替え)ですが土地は2002年に取得したものです。
記事には「坪単価で1500万円前後を目線に交渉が進んでいる」とありますが、土地面積は約5,000m2なので売値目線は約230億円(≒5,000m2/3.3*1,500万円)と単純計算できます。
一方でこれが普通のビルだとすると、延床面積が約28,000m2なので貸床面積は17,000m2くらい(レンタブル比60%を想定)。ざっくり坪賃料を33,000円/月とすると年間想定賃料は20.4億円(=17,000m2/3.3*33,000円*12ヶ月)。経費率40%前提で年間想定キャッシュフロー(NOI, Net Operating Income)は12.2億円。キャップレート3.0%で400億円くらいの時価となります。いくら自社ビル仕様と言っても230億円で買えるのであればグリーンオークとしては結構お得感があるような(自分の計算が間違っているだけな気もします)。
ちなみに隣のNBF南青山ビル(延床面積18,720m2、土地面積3,272m2)は日本最大のREITである三井不動産系の日本ビルファンドが保有しており、2020年6月末時点で203億円の評価額。土地面積当たり坪単価は2,000万円超です。世界4位のレコード会社なのだが。。。コロナは音楽業界には本当にアゲインストだ。昨日も制作会社と話していたが、今のお客様の水準はコロナ前の半分以下にとどまっているとのこと。とにかくつぶれないようにするのに必死になるしかない。
本社オフィスビルを保有から賃貸に切り替えるのはこの局面ですごく普通の経営判断のような気がします。
あと、「虎の子」とは経営の文脈でしたらコア事業のことでしょう。本社オフィスビルは収益を生む資産でないのだから「虎の子」は違うと思います。