ナゴルノ紛争で停戦合意、アゼルが領土奪還 ロシアは維持部隊派遣
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ロシアの仲介により第二次ナゴルノカラバフ戦争は終戦協定が締結されました。
内容は以下の通り。
1.モスクワ時間11月10日0時に両国は完全な停止に合意する。
2.アグダム、カザフ地域などアルメニア側が支配する地域は、11月20日までにアゼルバイジャンに返還される。
3.ナゴルノ・カラバフとアルメニアを結ぶラチン回廊にはロシアの平和維持軍が駐留する。
4.ロシアの平和維持軍は、アルメニア軍の撤退と並行して展開される。平和維持軍は5年間駐留し、当事者がこの規定を終了したことを6か月前に発表しない限り、次の5年間は自動的に延長される。
5.当事者間の合意を実施するために、停止監視委員会が設立される。
6.アルメニアは11月15日までにケルバジャールをアゼルバイジャンに返還する。
幅5キロのラチン回廊は平和維持軍が維持するが、アゼルバイジャン占領下のシュシャは例外とする。
7.避難民と難民は、国連難民高等弁務官の支援の下、ナゴルノ・カラバフとその周辺地域に帰還する
8.両国はそれぞれ拘束した捕虜を交換する
9.アルメニアは、アゼルバイジャンと飛び地であるナヒチェバン自治共和国の連絡通路を提供する。
アゼルバイジャンは現在の占領地に加え、アルメニアの保障占領地域の全てを無血で奪還し、更に飛び地のナヒチェバン自治共和国への連絡ルートを確保。
アルメニア側は首都ステパナケルトは維持して、ナゴルノカラバフ共和国の存続自体は認められた内容となっています。
一方ロシアは平和維持軍の駐屯によりこの地域への影響力を確立しました。
アゼルバイジャンの全面勝利には違いありませんが、ある程度アルメニアにも配慮した形になっており、アゼルバイジャンとしてもこれ以上の流血を避ける為顔を立てたと言えます。
このままいけば首都攻防戦と山岳部でのゲリラ戦のより人道的な悲劇が起こることが予想されていた為速やかな停戦は良かったと言えますが、完膚なきまでに敗北したアルメニアの国民感情が収まるかはまた別の問題と言えます。