Palantirが想像以上にSIerだった件
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注目のコメント
Palantirについてよく知らなかったので、非常に勉強になる記事でした。
紹介されているPlantirをそう読んでいいものかはともかく、利用顧客が超大手のエンタープライズSaaSはアメリカではごく一般的ですし、むしろ成功しているSaaS企業は大半がエンプラ向けだったりします。こちらの記事の分析では、81社のうちSMBフォーカスのSaaS企業はわずか4社のみ。
https://blossomstreetventures.com/2019/04/10/smb-is-a-hard-road-in-saas/
なんとなくSaaSというとSMB向けにロングテールで稼ぐイメージが強いですが、客単価が上がらず顧客数が増えても収益化に苦しみ頭打ちになってしまうケースもままある印象です。あとから価格上げるのは既存顧客との兼ね合いでかなり難しいと思います。
SaaSばかりにフォーカスがあたっていますが、伝統的なSIerが強い日本であればこそ、コンサル的なアプローチで企業の経営課題にトップダウンで切り込み、継続的な顧客との関係性の中で収益を稼ぐ、Plantir的なSIの進化系とも言うべきビジネスモデルへの転換が非常に重要だと思います。価格を叩かれやすい工数ビジネスではなく、価格に見合うだけの付加価値ビジネスであることを証明できるかどうかが、"いわゆるSIer"の今後の岐路になりそうです。(SMB向けの汎用SaaSとは違い)超大手のクライアントに対してシステム開発のカスタマイゼーションはもとより、コンサル機能も提供し徹底したクライアントサクセスに注力しているのがPalantirという印象。日本のSIerモデルは開発工数ベースの課金形態がほとんどなので、このクライアントの経営課題へのコミットのスタンスが全く似て非なるものだと思います。
AIerという業態が出来ていると思う。
どこの会社でも自社の規模に沿って適切な開発・運用・利活用ができるわけではない。そのなかでインテグレータとして集約して知見を重ねる業態ができるのは、SIer・NIerの歴史でもある。様々なAIツールがあるという言葉もあるかもしれないが、昔から様々なツールはあった。
またそこまで開発規模が大きくなくても利用したいというケースもあるだろうから、そうするともっと規模が小さい受託開発も出てくるだろう。ただ受託開発については、要件も相対的に複雑度が低くなり、SaaS全盛期の今は、個別開発よりもSaaS形態の利用とか、AIを前面に出したものではなく利用したら裏側でアナリティクスが走ったりAPI連携しているようなものが中心になると思う。