「認知症を支える街」が全国に増加 54の自治体が保険による救済制度導入 〈週刊朝日〉
コメント
注目のコメント
認知能力が「状況を理解する力」だとしたら、それと意思表示や手足を動かしたりする「行動」とのバランスが取れていることで、生活する上で不都合なことは減ります。また、認知能力には「スピード」という要素も含まれており、目まぐるしく変わる周囲の状況に応じて、行動のほうもテキパキと変えていく必要があります。認知とのバランスが取れていないと、状況を理解しないまま行動だけ突っ走ってしまい、事故などの不都合なことが増えます。また、周囲のスピードについていけないケースでは、立ち往生をしている間に危険が迫ります。
そうしたことが発生しないよう、状況の理解が簡単にできるように生活環境を工夫したり、周囲が本人のペースに合わせてゆっくりと動くようになれば理想的なのですが、現実の社会は発展途上であり、弱者に合わせたしくみを作るのも試行錯誤です。
よって妥協案として、事故の発生を折り込んだ保険の活用を進めるわけです。しかし、肝心の保険が複雑では、そうしたバックアップの場面の状況理解も進みませんので、ここは保険側としては、自動加入、自動給付のしくみをもっと進めたいところ。例えば保険加入には「被保険者同意」という手続きが基本ですが、理解が追いつかないことを形式的に求めても仕方がありませんし、それは保険金請求に関しても同様です。
みなさんも、例えばアプリをインストールして利用を始める際、同意事項として長々と文章を読まされる場面がありますが、あれを読まずにすっ飛ばす人、それは理解しないまま行動を起こすという点で、既に認知症といっていい状態なわけです。読まないことを前提に、不都合が生じないしくみを考えていかなければなりません。それが行政にしても事業者にしても、社会をインクルーシブなものにしていくための使命だと思います。