エチオピア北部で武力衝突 政権、譲歩せず反撃「戦争突入」
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エチオピアの与党人民革命民主戦線はメンギデス独裁政権打倒の立役者ティグレ人のティグレ人民解放戦線、最大民族のオロモ人のオロモ人民民主機構、アムハラ人のアムハラ民族民主運動、及び南エチオピア人民民主運動の連合体です。
しかし実際には人口の6%に過ぎないティグレ人勢力が主導権を握っており、内部対立が絶えませんでした。
この解消を期待されたのが、最大民族オロモ人出身ながらムスリムの父、エチオピア正教会の母を持ち国民統合のシンボルと目されて首相に就任したアビー首相です。
アビー首相は民族の融和に努め、また隣国エリトリアとの和平も成し遂げて、昨年ノーベル平和賞を受賞しました。
しかしティグレ人の中にはオロモ人に政権を奪われたとの反感が強く、アビー首相が民族の連合党だった与党人民革命民主戦線を繁栄党として1つに再編成しようとしたことを機に政府から離脱、エチオピア中央政府との対立を深めていました。
各民族の民族色を弱め国家の一体性を強めようとしているアビー首相としてはティグレ人の分離行動は容認し得るものではなく、遂に今回武力衝突に至ったものです。
ただティグレ人は少数民族とはいえメンギデス政権打倒の実績があるほどの軍事力を誇り、民族の連合体で一枚岩ではないエチオピア中央政府では軍事的に圧倒することは容易なことではありません。
アビー首相としては今後難しい舵取りを強いられるだろうと思われます。