[ジャカルタ 5日 ロイター] - インドネシア統計局が発表した第3・四半期国内総生産(GDP)は、新型コロナウイルス感染拡大が消費や企業活動を圧迫し、前年比3.49%減少した。2四半期連続で縮小したことで経済は約20年ぶりに景気後退(リセッション)入りした。

ロイターがまとめたアナリスト予想は3%減少だった。第2・四半期は前年比5.32%縮小していた。

第3・四半期GDPは前期比(季節調整前)では5.05%増加した。ただ、予想の5.34%増は小幅に下回った。

スリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は会見で、前期比GDPの持ち直しを理由に「最悪期は脱した」と強調した。一方、統計局は、新型コロナの影響で1─8月に267万人程度が失業したとしている。

政府支出が9.8%増加したことで、経済への打撃が和らいだ面もあるが、エコノミストは、景気回復には一段の刺激策が必要とみる。

OCBCのエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は「財政刺激策の実行がもたつく中、さらなる措置を講じるよう金融政策への圧力が高まっている」との見方を示した。

インドネシアは新型コロナの感染者と死者が東南アジアで最多を記録しており、政府は感染封じ込めに苦戦している。政府は9月、首都ジャカルタに第2弾の制限措置を導入した。

第3・四半期は、家計消費が前年比4%減少し、投資は6.5%減った。世界の需要がなお低迷する中、輸出は10.8%減少した。

OCBCのエコノミストは、第3・四半期の軟調を踏まえると、第4・四半期も下振れリスクがあると指摘。第4・四半期GDPはマイナス2%程度となり、通年GDPもマイナス2%になる、との見通しを示した。

政府は第4・四半期をプラス成長にするため積極的な財政出動を確約している。中銀のペリー総裁は、100ベーシスポイント(bp)の利下げと300億ドル以上の債券買い入れ措置に加え、さらなる措置を講じる余地があるとしている。

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