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<こんなことを司法試験の答案に書くと、確実に落ちます。
憲法第15条1項は、あくまでも日本国の主権は国民にあって、公務員の選定と罷免は究極的には国民というものに基づくんだ、ということを確認した規定です。この国民を総理大臣に置き換えて解釈するという発想は、聞いたことがありません。>
では、任命拒否は違法なのか違憲なのか。あるいはそのどちらでもないのか。立命館大学の松宮教授に話を伺いました。松宮教授は実際に任命拒否をされた6人のうちの1人であり、今回の問題について積極的に発言しています。
「学問の自由」が抽象的な概念で脆弱だということを法律家として認識しているからこそ、それを守るためにあえて声を大にして発信しているのではと感じました。
憲法15条1項のロジックの事例など行政の解釈がそのまま定着している事例があります(念のため、2018年と今回の解釈が悪い良いということを言いたいのではありません)。この点を抑制できるのは、行政が自ら判断を変えるか、でもその可能性は低く、司法判断に委ねるしかありません。しかしながら、日本の場合は憲法裁判所はなく、最高裁も通説では具体的な事案を伴う場合の付随的審査とされています。
また、もう一つ興味深い点は菅総理の東南アジア歴訪と軍事研究との関係に触れられている部分です。ここは正直かなり議論のある点だと思われます。
最初の訪問先としてベトナムとインドネシアを選んだ本当の意図については、推し量るしかありませんが、「軍事的包囲網」の構築のためと言えるのか。日本の現状の自衛隊の制度では軍事的包囲網を構築することはできません。また、ベトナムもインドネシアも、東南アジア諸国のなかでは、最も中国に対して軍事・安全保障上の警戒をしていますが、軍事力で対抗できるとは思っていません。差がありますぎます。
そのため、重要なのは専守防衛の自衛隊とは異なり、攻撃できる軍を持つ米国やロシアといった存在です。東南アジア諸国は武器の購入も米国とロシアが中心で、最近は中国製も購入しています。日本が東南アジアにとって軍事・安全保障上の意味がない訳では無く、米軍基地の存在を通じて重要性があることは間違いありませんし、けん制という意味でのプレゼンスは自衛隊にもあります。「包囲網」というよりは、軍事バランス、軍事プレゼンスを通じたけん制、せめぎ合いが行われています。
天皇の任命権については形式的と憲法にははっきりと書かれており、総理大臣の任命権と並列では論じられないと思いますが、総理大臣の任命権に関する行政の解釈の問題性を指摘するためのロジックなのかなと感じました。
なぜ「任命」されたいのか?が知りたかった。
今回の任命拒否を肯定する側の意見も、ぜひ特集お願いしたいです。
今回、拒否したのであれば、責任も伴うのだろうか。