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「エンジニア採用担当いませんか?」という質問に対する、ひとつの解

どうも、すべての経済活動をデジタル化したい石黒です。

世界中はまだまだコロナ禍で大変な日々が続いていますが、日本国内における経済活動は少しずつですが回復しかけている?ような兆しを感じています。経済活動と言えば、LayerXのミッションにも入っていますが「デジタル化」や「DX」の具体化、それによる変化を皆が追いかけているように感じます。

さて、タイトルの件。

友人や知人、元同僚、支援するスタートアップの経営者、はたまた、最近は私たちがいるスタートアップやベンチャー企業のみならず、伝統的な大企業の人事や経営者からも「エンジニアを採用したいが、そのための採用担当がいない」という相談をお受けするようになりました。

エンジニア採用については、以前一度noteを書いたのでご参考にどうぞ

そもそもマーケットを知ろう(めちゃ少ない)

世界5億ユーザ、日本でも数百万人が利用しているLinkedInのリクルーターライセンス(人事が使う全検索できるやつ)でSearchしました。

検索結果
Technical Recruiter:155名
※「少なっ」って思ったので"Engineering Recruiter"も検索してみましたが8名だったので、そもそもめちゃ少ない、、、

スクリーンショット 2020-10-29 16.14.56

しかも、Industriesのところの"Staffing & Recruiting"が40名。つまり155名の2-3割はエージェントさんや人材業界の方ということになります。(LinkedIn登録してないとか色々あると思いますが、)とにかくめちゃ少ないということです。比較のために"Internal Auditor(=内部監査)"を検索すると1000名がヒットしました。

というか、周りを見渡しても採用できないどころか、候補者のタレントプールさえリスト化がままならない状況ではないでしょうか。さらに言うとその中で自社のミッション・バリューに合致した方が来てくれる可能性を考えると・・・

社内の優先度は?

本題です。その「採用担当」や「エンジニア採用担当」の優先度(必要度)はどの程度でしょう。

5:事業運営に対して致命的な影響があり、(開発のメンバーを採用するよりも優先度高く)今すぐ必要
4:外部の力を借りれば一時的に乗り切れるが、半年以内には必ず必要になる
3:将来的に必ずリスクになるので今のうちにいい人にアプローチしておきたい
2:社内に知見がない領域なので早く採用したい(という程度)
1:いつもいつも「採用したい」と言っているが、言い始めてもう1年になる(=つまりいなくても回っている=つまり優先度高くない)

※以下、私なりの勝手な回答を書きます。異論反論ディスカッション歓迎です。もっと勉強したい。

[5]の場合

回答:キーマンを社内コンバートすることを考えましょう(異動です)。一時的でも片道切符でもいいと思います。もしくはCXOクラスの誰かがこれを100%コミットしてやりましょう。そのレベルです。そして採用担当は「想いを持った人」がやったほうがいい役割です。
事業上の真に大きなイシューなのであれば、エンジニアから1人コンバートしたほうが早い(もちろんプロダクトが大事なのはわかるが、採用に悩んでいるうちにマジで無駄な時間が過ぎてしまう。なぜなら上述の通り基本的に「いない」ので)

と伝えると「いやいや、開発から人を割くなんて無理っす!プロダクト大事っす!!」という答えが返ってきます。ってことは[5]じゃなくて[4]ですね

[4]の場合

回答:やはり、キーマンを社内コンバート(異動ですね)しましょう。この場合は期間限定の条件をつける事が多いですね。異動のアクションによって「(エースの)XXさんが異動するくらいのの優先度なんだ」と社内には伝わります。社内人事はわかりやすいメッセージです。採用は全社の課題なので「コトの大事さを社内で共有する」ということができます。
その上で並行して「外部の力を借りる」。エンジニア採用の経験者に副業で手伝ってもらってノウハウのショートカットをしたり、ハンズオン型の支援を受ける(と同時に、その方を半年で口説き続ける。ダメ元でいいんです)

[3]の場合

回答:社長やみんなでTwitterや採用ページで募集しまくりましょう。多くのTweetが「採用担当が足りません!」「人事の1人目がほしいです!」という感じなので、
- 募集の背景
- 会社のカルチャー
- 最初にやってほしいこと
- 採用以外にも広げてほしい業務領域(←大事です)
- 他の環境と「何が」違うか
この辺りを明記できると良さそうです。
「いや、いつもSNSで言ってるし」
という声が聞こえてきそうですが「いつも発信してるつもりなのは発信者側だけなので、多くの場合は届いていない」という気持ちで、改めて書いてみると良いかなと思います。

[2]の場合

普通に募集要項書いて、リファラルその他全方位で、普通に、頑張りましょう。

[1]の場合

多分…優先度設定が間違っているような気がします。採用ポジションの見直しと同時に、社内の優先度を再度検討してみるのもいいかもしれません。

スーパーマン、スーパー組織など無い(という前提に立とう)

「何でもうまくやりたい」と思ってしまいますが、何でもうまくいくなんてことは、そうそうないですよね。期日までに、欲しい人を、採用し続けられること、は非常に難易度が高い。

「いつか来てくれたらいいな」という思いとアクションはしつつも、「前に進めるために何が出来るか」というアクションも同時並行的に進めてみることを考えてみては?と思い、noteに書き出してみました。

必要なことは「課題の分解」と「アクション」の繰り返し

本当に数多くの相談をお受けしています。菅政権の目玉ということもあり、スタートアップも大企業も、どこに行ってもこの話題で持ちきりになり始めています(2021年はさらに加速するでしょう)。

先日noteに書いた、平井大臣講演録、よかったらお読みください。非常に勇気が湧いてきます

色々書きましたが、詰まるところは「アクションあるのみ」です。「エグゼキューション(実行)がすべて」とは、前職メルカリで小泉さんにずっと言われていたことでした。ただ、アクションするときに「もう一つの道」を探すための「課題の分解」「優先度設定」というところに一手間かけると、より可能性が広がるのではないかと思っています。

課題を分解していくことで、一つひとつの課題を小さくする。出来ることから解決する、各能力を疎結合していく、そんなイメージです。

最後に宣伝ですが、LayerXではソフトウェアエンジニア、事業開発のメンバーを力強く募集しております!!

ちなみに、私に興味が湧いた方、本内容を読んで何か相談してみたいと思った方はこちらからDMをどうぞ(全てへのご対応はできかねますこと、予めご容赦ください)

もちろん本noteに関する意見/感想、そういった類のフィードバックも歓迎です。あ、採用マネージャーの話がぜんぜんできなかったので、またの機会に書きたいと思います。

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