[ソウル 28日 ロイター] - 韓国の文在寅大統領は28日、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指すと表明した。韓国は、世界で最も化石燃料依存度が高い国の1つ。これに先立ち、日本も今週、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指すと表明している。

文大統領は国会で演説し、「われわれは国際社会とともに、気候変動に積極的に対応し、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指す」と述べた。

大統領は7月、環境分野での雇用創出などを目指した「グリーンニューディール」政策を発表。公共の建物の改築、都市部の森林構築、リサイクル、新しい再生可能エネルギーのための基金設立、低炭素エネルギー工業地帯構築などを進めていく方針を明らかにした。また、電気自動車(EV)と水素燃料車の稼動数を、2025年までにそれぞれ

113万台(2019年末時点では9万1000台)と20万台(同5000台)に増やすとともに、充電施設を増やすとしている。

国連や環境団体は今回のカーボンニュートラル計画を歓迎。ドゥジャリク国連報道官は声明で、「正しい方向に向けた大変前向きな一歩」と評価した。

韓国の発電エネルギーに石炭が占める割合は40%、再生可能燃料は6%以下と、人口当たりの二酸化炭素排出量が地域最高水準となっている。