米、イーライリリーのコロナ抗体療法30万回分確保 3.75億ドル
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モノクローナル抗体製剤は、早くから大きな期待を持たれてきた薬剤の一つです。
ウイルスが感染した人の体では、抗体と呼ばれるタンパク質が作られ、それがウイルスの増幅を抑え、身体の回復に一役買っていることが知られています。
また、ワクチンが効果を発揮するメカニズムにもこの抗体作りが挙げられます。ワクチンを注射すると、ウイルスに対する抗体ができ、体をウイルスの感染や増幅から守ってくれます。
しかし、十分な抗体の産生には通常2週間ほどかかり、仮に有効なワクチンがあったとしても、すでに濃厚接触してしまった人、感染してしまった人には間に合いません。
この抗体製剤は、工場であらかじめその抗体を大量生産しておく、というものです。これを感染してしまってすぐの人や濃厚接触者に投与することで、感染や重症化を防げるのではないかと考えられています。
その効果の程については、現在臨床試験で確認中です。リリーの抗体は最近入院患者の治験を中止したとの報道が出ましたが、重症化する前であればやはり有効性は高いのだと思います。8億ドルで経済が回復するとしたら安いもんだという米国政府のソロバン勘定でしょうね。