損保ジャパン、M&A保険発売へ 買収後の債務発覚に備え
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一般に表明保証保険と言われるタイプのものは、大型のM&Aではよく使われるもので、DDのスコープを決めて、それをベースに個別に潜在リスクを洗い出して保険料率を決定し保険設計のアンダーライティングをするオーダーメイド型の保険です。
これはその保障額を絞った中小版で、他の保険商品では東京海上日動火災のM&A nextが同種のものかと思います。(あいおい日生同和損保にも近いものはあったかな)
ただ日本の中小企業のM&Aの場合は、大型のM&Aと異なり金融機関も含めてFAではなく仲介形態が多く、DD自体は自分でするわけではないこと(つまりDDのスコープを自分で決定できないことが多い)また自分で紹介した案件のリスクを自分で算定するとという難しさもあり、個人的には現状では広い普及には困難な点が多いと見ています。
尚、先日東京海上日動火災からスモールM&Aに特化した初めての表明保証保険がリリースされていますが、こちらは個別のアンダーライティングなしに予めDD内容と表明保証条項を確定させたパッケージに、付帯として掛け捨て保険を付与さるもので、規模や性格が大きく異なります。
とはいえ様々なリスクヘッジ商品が出てくるのは買い手にとっては選択肢が増えることでもあり、好ましいことでしょう。いわゆるレプワラ違反保険と同じですね。
非上場先のM&Aの際はデューデリジェンスでも簿外債務は気になると思うので安心材料にはなりますが、そうは言ってもデューデリジェンスはやっているわけで元々知り得る状況だったのに買収したと疑われる可能性はあり保険金請求はもめることもありそうですね。確率の計算が気になります。
地方銀行にってことみたいなので、少額案件でDDしない前提の保険ってことでしょうかね。
まだノウハウあるとは思えないので、とりあえず始めてみて、修正しながら、重荷に感じずに会社を売却できるのなら意味のある保険なのかなと思います。善意の売り手にとっては。
買い手にとっては、細部DDほどほどに、とりあえず保険かけとけってことですかね。